「なぁ大野よ、いいのか?このままで」

 

 

「いいも悪いも、始まっていないし」

 

 

 

 

 

日当たりのよい研究室で

コーヒーを飲みながら

彼の事を思い出していた

BBQは口実、

話せるきっかけがつかめたら

それで満足だったはず。


ただそれ以上の収穫で

少し舞い上がっていた


人に興味を持ったのも

久しぶりだったかも

何より・・・温かかったから

人肌はいい・・・

 

あぁ、誰でもっって訳じゃないのも

よくわかった(苦笑)

 

 

「で、何時発つんだ?」

 

 

不味そうにコーヒーをすすりながら

その瞳は何かを待っている

それに比べて、

美味しそうにコーヒーを飲んでいた

彼の顔を思い浮かべると

自然とこぼれる笑み

そんな俺をアホだとまくしたてる

悪友ともしばしお別れか・・・

 

 

「・・・明日」

 

「ッブフッ、、、あ、明日??」

 

吹きこぼしたコーヒーを拭きながら

ぶっきらぼうに説教を始める悪友は

口は悪いが常に俺を気遣う

ありがたい・・・

 

 

 

 

「ちゃんと、けじめはつけていくよ。」

 

「・・・・ったく、素直じゃないねぇ」

 

「そうでもないさ・・・」

 

 

ズズッと残りのコーヒーを飲みほすと

俺の方を叩いて出ていく後ろ姿は

しっかりやれよ、

と言っている気がした

 

 

スマホを手に取り

ひとつ大きく息を吐く

 

 

人生最大級の緊張と

対峙しながら画面を見つめた・・・

 

 

 

 











2018/10/3