時化た面した俺を相葉君が楽し気にいじる
カズもそれなりに気を使ってくれているのか
いつものつっけんどんな態度が多少柔らかく感じる
ツンデレは相変わらずだが
俺の前と、相葉君の前では態度が微妙に違う
それが気のせいではないことを後で知る
あれ以来、金髪を見かけることはなく
会いに来ることもなく
もちろん、会いに行くこともなく
以前の静けさが戻りつつあった
それでも変わってしまったものはある訳で
日増しに大きくなりつつあるモヤモヤと、
毎日元気に声をかけてくれる相葉君への距離
カズがマー君と呼ぶのなら
俺が同じようには呼べない
かと言って相葉君もなんとなく違和感があって
いつからか、マサキと呼ぶようになっていた
時々、BBQを仕切っていた顔の濃いイケメンが
カズのところに来ると
マサキの機嫌が少しだけ悪くなる気がした
もしかしたら・・・
なんて、今までなら
思いもつかないことを考える自分に
驚いたりもする(笑)
経験だよね、何事も
いいか悪いかは別として
少なくとも俺には必要なことだったと
思ったから
必ずしもいい思いはしなかったけれど
気づけば
カズとマサキの会話がやんだ
二人の顔を見ると
俺の肩越しに何かを見ていた
その顔に笑みはなく
同時に俺を見る瞳がそれが何なのかを
知らせていた
背中に感じる気配は
一瞬で
あの日に帰っていく
望んでもいないのに・・・・・・
一瞬で。
