それからは、和やかに時が過ぎる
帰りたいと、さっきまで思っていたのに
思いのほか楽しいときた。
カズに、相葉君に、それから金髪・・・
話が弾み酒も進む
金髪は相変わらずボソボソと話す
その口調がまた時々ツボって
笑いを誘う・・・
だけど俺、
自己紹介されたのに名前で呼べない
なんと呼んでいいかも迷う・・・
なんでかな・・・?
握られた手のひらをもう一度見る
ホワンと花の香りがしたような気がした
大野サトシ・・・・か
「ちょっと、ちょっと、翔ちゃん!のみが甘い!」
水のようにビールをがぶ飲みする相葉君は
カズに注がれるたびコップを空ける
同じように、金髪に注がれるたび
俺もコップを空にする
静かにほほ笑む横顔が
妙な安心感を呼ぶもんで
ハイペースに酒が進む
いつの間にか向こう側で
睨みをきかせていた超イケメンも
金髪には弱いらしく
「潤」と呼ばれるたびに
柔らかな顔つきで話に加わっていた
見た目じゃわかんないもんだな
誤解されやすいタイプなのかもしれない
金髪と話す顔は子供みたいだし
話せばいいやつなのかもしれないな
来てよかったかも・・・
何気に・・・楽しいじゃん
酒はうまいし、肉もうまい!
口に入りきれないくらい頬張って
食って飲んでたくさん笑った
突然、
鼻先を甘い香りが通り過ぎると
耳元でイケボが響く
「・・・・翔くん、って呼んでいいのかな?」
ふわっとかかる息が
俺の右側をやたら熱くした