「ねぇ、カズ紹介してよ!隣のかっこいい君!」
突然、背高のっぽが俺を見てニカッと笑う
面倒くさそうに肉をひっくり返しながら
腐れ縁の幼馴染が一目俺に目をやると
「・・・この人翔ちゃん。俺の幼馴染」
またこれも面倒くさそうに言い放つ
「翔ちゃんって言うんだ、俺、雅紀!
よろしくね、カズには
マー君って呼ばれてるけど、
雅紀でも、マー君でもどっちでもいいから!」
「はっ?」
陽気な背高のっぽは、雅紀と言うらしく
初めて会った俺に
自分の名前を好きなように呼べと言う
真っ白い歯が眩しいくらい
ニカッと笑う様は、人懐っこいというか
憎めないっていうか・・・
図々しいというか・・・・
「・・・・あの、君の苗字は?」
「あっ、あのね相葉、相葉雅紀」
「相葉・・くんね、よろしく」
「翔ちゃんは?何ていうの?」
間髪入れずにあれこれと聞いてくる
変わったやつ(苦笑)
「俺は、櫻井翔」
「桜か・・・俺ね
桜の花すっごい好きなんだ!」
せっせと焼き物をしながら
機関銃のように話しかけてくる
その横で、不愛想に同じく焼き物を焼く
腐れ縁の幼馴染・・・
相葉君に「カズ」って、呼ばせてるんだ
なんだか以外・・・
俺以外で「カズ」って呼ぶ人間がいたなんて
よっぽど信頼してんだな・・・
不意に背後から
同じように「カズ」と呼ぶ声がした
振り返ると、金髪が満面の笑みで
俺の肩越しから
カズを手招きしていた・・・