あの晩から
思いもがけない相談が増えた
無自覚が故のアホみたいな
相談が・・・・
秘めた思いっていうものが
俺なりのポリシーであったわけで
伝えるつもりはサラサラなかった
どんなに深酒しても
そこのラインはしっかりとキープしつつ
万が一酔いどれそうなときには
決まってあの人を先に帰してきた
その場に一緒にいたら
何をするかわからないから(苦笑)
あの晩も・・・そうだった
ほろ酔い気分の
ほんわかした顔を肴に
美味しい酒を飲んだ
じっくり腰を据えて飲める
滅多にない機会
二人きりじゃないところが
残念でもあり
ありがたくもある
それでも、楽しい時間だった
くるくる変わる表情を眺めて
くだらない話をしながら
たくさん笑って
たくさん泣いた・・・・
あんな場面さえ見なければ
最高の思い出に変わったものを
まったく残念でならないよ
あれで気づいたんだ
あの人の本当の気持ちに
異国の夜が見せた幻であって欲しいと
どんなに願ったことか
その晩、あの人の部屋に呼ばれた
深酒をしていたのはあの人だけで
俺の酔いは・・・
木っ端みじんにっ吹き飛んだから(笑)
それでも心は正直で
この空間が特別なものに思えて
自然と距離が近くなる
そんな俺にお構いなしに
終始上機嫌に酒をのみ
楽しそうにさっきの出来事を
身振り手振りで
なんども、
なんども・・・・
繰り返し話すあなたの顔は
今までになく一番
幸せそうに見えた
それから俺の苦悩は続くわけで
翔さんを見ていると
胸が痛いと訴え
効く薬はないか?と聞いてくる
さすがの俺にも
その病を治す薬はないと
伝えれば・・・
不安げな顔で
俺は何かの病気なのか?と
真剣に聞いてくるから・・・
始末に負えない(苦笑)
仕方がない・・・
そんな可愛いあなたのために
特効薬を用意したいと思った
その「薬」はあの人と同等か
もしかしたらその上をいく鈍感
どう思っているかなんて
聞くまでもない
体の筋肉が溶け出すくらい
全身で愛を叫んでいるのだから(笑)
気づかないのは・・・
当の本人たちのみ・・・・・
さて・・・どんな処方箋にしようか
できるだけ焦らして・・・
甘くて苦い薬でも調合しようか
今度あの人に呼ばれるときは
のろけ話に変わっていることを
願って・・・・・
世話のやける患者だが・・・
それでも、俺の一番大切な
患者だから
・・・・・・・願わくば
一度でいいから注射してみたかった
そう思うことだけは譲れない(笑)
隙あらば・・・
いつでも準備OKだからね
覚えておくように伝えてみよう(笑)
恋煩い・・・実は俺もかなりの
重症だったのかも
なんてね・・・・




