それから俺の中で

土曜日は特別な日となった

あの人の愛の唄を

聞きとどけるために

 

あの人の紡ぐ

悲しいくらい・・・やさしい音色を

「誰か」に届かない行き場のない

愛の唄・・・・・

今日も明日もこの先ずっと

俺はあの人の愛の唄を拾い続けるものと

思っていたんだ・・・・・

 

 

いつものように息を殺し

そっと庵に近づく

だが・・・

唄が聞こえてこない

 

胸が騒ぐ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・ひとり?

 

 

あの人が黒い衣服に身を包み

うつろな目をして

ただ・・・・・・佇んでいた