恋のうたが誘いながら流れてくる
そっと眠りかけたラジオからの
さみしいそして悲しい
いっそやさしいセレナーデ
目を覚ました俺の目に飛び込んできた
見たこともない天井・・・・
天蓋付の寝床なんて本当にあるんだ
夢見てんじゃないかって思うくらいの
非現実的な部屋
ふかふかの布団にふかふかの枕
シルクの寝巻は肌触りがものすごくよくて
動くたびにシャラシャラ衣擦れの音がした
・・・・・・・って、着替えた記憶がない
裸にされたんだろうな・・・俺
はははっ、・・・・・・。
右の頬に手をやるとまだ少し熱くて
昨夜の出来事が夢じゃないって教えてくれる
その時のことをぼんやり思い出していた
屋敷のどこからか聞こえてきた
微かな音が今も耳に残っている
あれは・・・・あの人の心そのもの
だったのかもしれない
その時は気づかなかった
悲しくてやさしい声・・・
