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※ 青いバラの花詞:「奇跡」・「神の祝福」・「夢かなう」・「不可能を可能にする」
あなたの歌声が降ってくる
柔らかく・・・優しく
包み込まれるような・・・・声が・・・・
青いバラの花言葉には「奇跡」が含まれていたはず・・・
奇跡・・・・
まさに、あなたに出会えた奇跡・・・
このまま・・・・奇跡だけで終わらせたくはない
もっとあなたを知りたい
名前を・・・・・聞いてもいいのだろうか?
そんな俺にあなたは思いもしない言葉をかけてきた
「・・・・・・・・最後に素敵な時間をありがとう、もう・・・
ここへ来てはいけないよ、・・・・・・赤の君・・・気を付けてお帰り」
何を言われているのか理解できないでいた
頭から一気に血が下がるような感覚・・・・・
「潤」と呼ばれるそいつに連れ添われゆっくりと窓から立ちあがると
舞台挨拶のような仕草で手を胸に当て深々とお辞儀をした
一瞬見せた切なげな表情とともに・・・・
蒼白い朧月に映しだされたその姿は・・・・
幻想的でいつまでも俺の目に焼きついて離れることはなかった
結局、俺は名前も聞けず・・・・呼び留めることもできず
去って行く後姿を見送ることしか出来ないでいた
肝心な時に怖気ずく・・・・・
そして・・・・他を踏み入れさせないあなたの存在感が
そうさせていたのだろう
意気揚々と出かけた結果
見事に玉砕・・・・・
新宿の裏舞台への入口・・・・・
いろんな欲の渦巻くその場所であなたはどんな時間を
過ごしてきたのだろう
あなたが見えなくなっても・・・・
ずっとそこから動けないでいた俺に
「潤」と呼ばれるそいつがいつの間にか傍にいて
悔しそうに話してくれた
男娼・・・・・そんな呼び名を知っているかい?
男専門の・・・・そんな場所で
あの人だけは誰にもその身を差し出すことはしなかった
そして、それを許されるだけのスキルがしこたまあって・・・・
だから、皆の憧れの人だったんだ・・・・・
俺等の仕事の建前はステージに立って歌や踊りを披露する芸人・・・・・・だが
一歩裏に入れば汚い取引で何人もの仲間が穢されていった
その中で唯一真っ白なあの人は・・・・・俺等の聖域だったんだ
・・・・・・・・・そこで、声を詰まらせる「潤」
そして・・・・怒りに身を震わせていた俺
そんな世界がある何て知ることもなく一人浮かれていた俺は
あの人の目にどう映っていたのだろう
「・・・・・・あんたが、もっと早く来てくれていたら・・・・・違っていたのかもしれない」
「えっ?・・・・・・」
「あの人に・・・・色を付けたのはあんたが初めてだったから・・・・」
「色?」
「・・・・・そう、色。何があっても動じないあの人があんたと出会った日から
毎日・・・・あの窓から路地を眺め出したんだ・・・・月の明るい夜には一人楽しそうに
微笑んでいた・・・・きっと、あんたを思い出していたんだと・・・思う」
その言葉にどんな意味があるのかなんてもう、どうでもよかった
俺は・・・・・・今すぐにでもあの人を連れ出したくて
「潤」に問い詰めていた
「あの人は・・・どこ?会わせて!!もう一度あって・・・伝えたいことがある!!」
「潤」はゆっくり首を横にふり・・・・目を伏せる
「・・・・・もう会えないよ、あの人・・・・頑固だから、それに・・・あの人はもう・・・」
そう言って押し黙る「潤」の・・・その言葉のを先を
俺は聞けるのだろうか・・・・・
逆上しそうな感情を押し殺し
その先を・・・・待った

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