「翔ちゃん・・・・おはよう」

 

 

 

 

 

智?・・・・・

 

「おはよう、なんだ今日はやけに早起きだな」

 

「んふふっ」

 

いつもは・・・・俺の腕の中で目覚めるのに

 

ベッドから出て行ったことさえ気づかなかった

 

 

 

「どうしたんだ?出かける予定でもあるのか?」

 

 

 

静かに微笑むだけで何も言わない智・・・・

 

急に不安になり・・・・

 

思わず智を追いかける

 

 

クスクスと笑いながら逃げる智・・・・・

 

 

「・・・・智、なぜ逃げる?ここへおいで・・・」

 

 

「・・・・ふふふっ、やぁ~だ!」

 

 

「智?・・・・・」

 

 

「翔ちゃん・・・・・捕まえてみて!」

 

 

 

 

そういいながら・・・・・・綺麗な白い羽根につつまれて

 

ふわり浮かび上がると

 

手の届かないところまで行ってしまった

 

何が起こっているのかわからず

 

ただ、呆然と立ちすむ俺の目から

 

次々と零れ落ちる涙粒

 

 

大声で智の名を呼んでも叫び続けても

 

戻ることはなかった・・・・・

 

 

「・・・・・っく、・・・さと・・・・し」

 

 

 

「・・・・・しょう・・・・・。」

 

「翔・・・・・・・・。」

 

「翔ちゃん!!!!」

 

 

 

 

ガバッ!!!!!

 

 

 

 

「・・・・・・・・・智??」

 

 

「すごい汗、翔ちゃん・・・・ずっと・・・・呼んでたよ?」

 

 

「呼んでた・・・・?」

 

 

 

 

「・・・・・・(照)、う、うん・・・・・」

 

 

・・・・・・・・智、

 

 

 

 

 

俺は思いきり智を抱きしめた

 

いきなりきつく抱きしめられ驚く智が

 

訳を聞いてくる・・・・

 

その口を・・・・・俺で塞いだ

 

長い長い口づけは智の存在を確かめるため

 

どんな些細なことでも取りこぼさぬように

 

記憶にとどめよう・・・・・・

 

 

「智・・・・・・どこへも行くな、頼むから・・・・俺のそばにいてくれ」

 

 

唇は離れることなく智に触れたまま

 

そう願った・・・・・

 

 

心から・・・・・願ったんだ

 

 

目の前から突然いなくなる事への恐怖・・・・

 

 

震えが・・・・・まだ、止まらない

 

 

 

「・・・・・・翔ちゃん?、・・・僕はどこにもいかないから・・・・」

 

 

「・・・・・智」

 

 

「僕はね、ずっと翔ちゃんのそばいいるよ・・・・ずっといたいの!」

 

 

 

 

俺は・・・・初めて智の胸に顔をうずめた

 

優しく髪を撫でる智の指の感触・・・・・・

 

指先が頬を伝い降りる温もり・・・・

 

ほのかに香る愛おしい人の匂い・・・・

 

 

どれも俺にとってかけがえの無いものとなっていた

 

今一度・・・・心に新たに芽吹く小さな種

 

智といるかぎり・・・・涸れることの無い花を咲かせ続けよう

 

お前にいつでも渡せるように

 

 

 

「・・・・・・翔ちゃん?、」

 

 

「ん?・・・・」

 

 

「・・・・・落ち着いた?」

 

 

「・・・・・あぁ、・・・・温かいなお前の腕の中は」

 

 

「・・・・・・・僕ね、なんだか・・・・おかしいんだ・・・・・」

 

「・・・・・おかしいとは?」

 

 

俺を優しく抱きしめ乍ら・・・・・・智が恥ずかしそうに

 

話を続ける・・・・・・

 

 

 

「今日の・・・・翔ちゃんが・・・・なんだか、可愛いっていうか・・・・・」

 

「可愛い???」

 

 

「・・・う、うん、・・・・・・それでなのか、僕がね・・・・・」

 

 

俺の下で・・・・堅く主張している智に初めて気づく・・・・

 

 

「・・・・・・智、お前・・・・・・」

 

 

「・・・・・・僕も・・・・翔ちゃんのこと・・・・良くさせてみたい・・・」

 

 

「#”$’%(#&”)!!!!だぁ~いい、しなくていいから!!」

 

 

「なんで?・・・・・いつも僕ばかりが。。。その、いい気持ちになってるし・・・」

 

 

「そんなことは無い!!俺だって充分、感じてる!」

 

 

「・・・・翔ちゃん、(照)」

 

 

 

 

少しだけ見せた俺の弱み・・・・・智が俺の最大のweakpoint

 

 

智を俺の腕の中に抱きしめる

 

余すところなく口づけを落し智を俺で一杯にしたい

 

何も考えられなくなるくらいに・・・・愛したい

 

 

「・・・・あっ、・・・翔・・・・ちゃん・・ん」

 

 

いつの間にか震えも恐怖もなくなっていた

 

俺の全てをお前に・・・・・

 

あげる・・・・・全部あげるから

 

 

だから・・・・・・・

 

俺から・・・・・・・離れるなよ

 

 

「智・・・・・・・、あぁ、・・・・・・智!」

 

 

「翔・・・・・」

 

 

 

 

 

心に小さな花束を・・・・・

 

愛してる・・・・・・

 

愛してる・・・・・・

 

 

 

 

ふわりと絡みあう身体に纏わりつく

 

柔らかな空気が俺を癒していく・・・・・・

 

俺の天使・・・・・・