夢を見ていた・・・・


一瞬の煌めきでもいいと


ずっと・・・

ずっと・・・

欲して・・・・


心に秘めていた淡い思いを

温めていた






丁度一月前・・・・・


あなたを見た



この地を離れることになり

しばらくこの景色とも見納め・・・と


蒼く降り注ぐ月光と静寂を眺めていた




それは突然だった




視界に入る青く浮かび上がるシルエット


静寂に溶け込むかのような所作


暗闇のなかそこだけが鮮明に映しだされる


幻想的な光景に思わず目を奪われた








「・・・it`s beautiful」





天空を見上げ

全身に蒼く静かな煌めきを浴び

瞳を閉じて微動だにしないあなた・・・・・


息を潜めただ・・・そこだけを見つめていた

すべてを時間ごと

この目に焼きつけたくて






ゆっくりと立ち上がり去って行く後姿に

言いようのない思いがこみあげる



それが・・・・


どんな感情かなんてその時は気づかないでいた



この地からいなくなる我が身


ただ・・・その後姿を見送る




去り際に一瞬だけ振り返り見せたその顔に


心射抜かれる・・・・







恋に落ちた瞬間だった・・・・



もし、もう一度逢えたなら・・・・・

その時は逃がさない


そう心に決めてその背中を見送った・・・・





蒼く深い闇が見せた幻影なのか

これから始まる甘く危険な香りの余韻なのか





俺の中で何かがはじけた瞬間だった・・・・