昔から思っていたことがある
一度、智くんの見ている世界を、一瞬でもいいから
覗いてみたいって・・・・
今でこそ、メディアに向かって
作品をきちんと話せるようになったけれど
当時はあのまま大作を抱えフェードアウトしかねないくらいの
勢いで・・・・
ファンの子に見てもらわないでいいのか?
って・・・・幾度引き留めたことだろ・・・(苦笑)
何度目かの話が上がったとき時
そうだよね・・・って
真剣な顔をしてしばらくじっと動かなかった
そんなときは頭の中が一つのことで一杯か・・・
なにも考えていないか(苦笑)
このときは・・・きっと前者
お節介かもしれなかったけど
直談判しに行っちゃったし・・・・
結果は俺が言っても言わなくても
きっと智くんが動いたら
従わざる終えない・・・・そんな立ち位置だったんだと思う
世の全ての人に知って欲しかった才能
それに光を当ててほしかった
それを俺は望んでいたはずなんだ・・・・
忙しくなることは承知の上
だから時間が出来たら
真っ先に智くんと会うことを優先した
なにもなくていいただ、智くんの過ごす時間の中に
俺をおいて欲しかったんだ
安易な考えの基
智くんがよく行くといっていた店に寄って
一式購入するつもりでいたが・・・
・・・・・結構高い
いい値段しているんだなぁ
好きじゃなくちゃ一気に買えない
とりあえず、初心者でもつかえそうなものを適当に物色して
急いで智くんちに向かった
きっと画を描いているであろう
その空間に入りたい一心で(笑)
部屋にあがると
かすかに絵の具の香りがした
怪訝そうに俺を見つめる瞳が
可愛くて・・・・
思わず目が細くなる・・・・・
紙袋の中身を早く出したくて
テーブルに広げた
不思議そうに俺を見つめる智くん
ははっ、当たり前か
俺、今までにないことしてるからね
準備OK !
後は、智くんを待つ・・・・・
思わずほころぶ顔
俺の気休めだって事ぐらい分かってる
でも、どうしても
智くんとの時間を一緒に過ごしてみたかった
きっと充実すると思ったから
番組では何度も披露してきた
空恐ろしい俺の絵心・・・
決して得意な訳じゃない
だが、心を込めたものならば
伝わるはず!!!
俺は初の試みに胸躍らせていた


