「ねぇ、潤くん・・・」
「ん?」
「夕べ・・・リーダーと一緒だった?」
「・・・・あぁ、一緒だった、なんで?」
「何か違ってない?今までと・・・・」
「違うって・・・・?」
「・・・・独りよがりというか・・・冷めた抱き方しか知らなかったのに
このところ・・・・妙に熱いというか・・・」
「・・・・・恥ずかしげもなくよく言えるね朝っぱらから(笑)」
「どうなの?真面目に聞いているんだけど?」
そう俺が聞くと
遠くを見つめながら潤くんがボソッとつぶやいた
「そう・・・かもな、香りが…違っているかも」
「香り?」
「あぁ、いく瞬間の香りがさ・・・・絶妙(笑)」
「なにそれ・・・」
「ふふっ、ニノは・・・先に行っちゃうから気づかないんだっけ」
「・・・・うるさいよ(照)」
しばし二人で静かに思い起こす
リーダーの抱き方が変わった理由を
もともと俺らには自分本位なリーダー・・・
当たり前なんだ、抱きたくて抱いてるわけじゃないから
仕方なく・・・・相手をしてくれている
体だけを提供してくれる
そんな関係から始まったんだ
感情なんかなくたって男はできてしまう
便利な生き物
ただ・・・一度だけリーダーの黒い影を見た夜
恋しい想いが伝わっってきた気がした
もちろん・・・俺にでは無い
その想い・・・
忘れられない夜になったんだ、俺にとって・・・
ここ数日の間に何があったはわからないが
リーダー達の撮影が終わった時から
相葉さんと、翔さんとの一緒の撮影の後から
確かに変わったんだ・・・
リーダーは常に俺たちを熱くする
ただ、俺等を見ることはない
誰か他の相手をしているかのように
今までもそう思うことはあった
あからさまに俺等を飛び越して
心の中の相手とシンクロしながら
ことをすますリーダーを俺等は見たことがなかったから
面倒くさそうに見下ろすその瞳に
心惹かれていたのかもしれない
そのときだけは俺らのことしか見ていない・・・
そう思えたから
誰かへの激情を宿した瞳に見つめられても
嬉しくなんかない
身体は・・・・それに反応する癖に
心が・・・冷めていく
「ニノ・・・あのさ、リーダーの黒い影・・・見たことある?」
潤くん・・・
「・・・・あるって云ったら?」
「・・・・俺は一度もないんだ、それを眼にすれば
リーダーが・・・手に入るって思っていたんだ・・・」
「手に入るって?・・・」
「リーダーのすべてを支配できるって・・・・」
全てが支配できる?
「それは・・・違うかな」
「どうして?なんで、そう言いきれる?」
「だって・・・俺、見たから」
「見たって・・・・それを?」
「あぁ、一度だけ・・・・」
支配できるって・・・・そんなレベルじゃないよ
正気でいられないんだから
俺だけじゃないはず・・・・きっと
誰だって・・・・
狂うんだ・・・・その影に酔わされて
「潤くん・・・、その影が現れたとき俺はリーダーとつながっていた
だけど・・・それは身体だけ、その影は何かを探しているように
リーダーから俺の身体に入ってきた、その瞬間味わったことの無い疼きで
・・・・狂いそうになるくらい、ただ夢中でリーダーにしがみ付いていた
その後のことは・・・覚えてない」
「・・・・・・そのときリーダーは?」
「・・・・たぶん、見たことないほど・・・乱れていたと思う、
激しさが違っていたから」
ゴクリと、唾を飲み込む音が聞こえるほど
潤くんは欲情していた・・・・
きっと・・・見たことが無いんだ・・・それを
リーダーの・・・・妖艶な舞を
俺だけが知っているリーダーの艶身体・・・・
それだけで心躍る自分が滑稽にさえ思えてくる
あの影は・・・・待っているんだ
リーダーの本当に欲しいものを
その瞬間を待っている・・・・・・
いわば、リーダーそのもの・・・・
欲しい・・・
それを手に出来たなら
リーダーを俺だけのモノに出来るのなら
どんなことだってする
仲間を裏切ってでもね・・・・
マチビト・・・ね
その名前を口にするとき
リーダーは・・・・・どんな舞を見せるのだろう
俺らには消してさらけ出さない
本当の舞・・・・
綺麗なのだろうな・・・・・
クソッ
2015-09-03 14:10:07




