「ほら、機嫌なおして手伝って!」



翔くんはいつだって大人

おいらがどんなに悪くても

なにもなかったように受け流す

だからケンカにならない






翔くんの隣で口を膨らませムスッとしている

おいらに人差し指を差し出す




「なんだよ!」




「いいから、あぁ~ん」




言われるがまま口を開けるおいら




「!!!」




「どう?結構いけてるでしょう?」




それは、とっても甘くて優しい味がした

口の中に広がるその甘味は

翔くんみたいだと思った

いつだって甘~くおいらを包みこむ




「・・・・うまい。何これこれ?」




「ふふっ、私もやればできるってことですな」




綺麗に盛り付けられた少しいびつな

パンケーキ・・・

クリームと、フルーツでデコってる

桜井特製オリジナルパンケーキの出来上がりらしい?




パンケーキの残骸をこそっと隠しながら

一番形のいいものをおいらにくれた・・・




「ご賞味あれ」


「・・・・・・!!(んふふっ、いいもん見っけ!!)」



おいらは翔くんの口の横についていた

クリームをペロッと舐めた



「つまみ食いはいけないね」


「・・・(照)」



真っ赤になっている翔くんが


あまりにも可愛くて・・・・




「翔くんから味見してもいい?」


何て言ってみたら



目の前でオロオロとし始めたから

おいらスイッチはいっちゃって




クリームたっぷりのパンケーキをちぎって

翔くんの口に放り込んだ






「いただきま~す」




「えっ、あっ、ちょっと、・・うあぁ」







それから・・・ゆっくり翔くんごと

いただいて・・・

それは何度でも食べたくなるような

甘美で淫靡な味がして・・・




トロンとした翔くんの顔を眺めながら



『また作ってと・・・』と


おねだりすれば



『よろこんで・・・』と


微笑む翔くん




こんなおいしいパンケーキなら

おいら毎日だって食べたい!




すっかり機嫌も直り

出しきってすきっりした

おいらの横で

ぐったりしながら

これまた出し切ってすっきりした

翔くんの寝顔を覗き込み




「ごちそうさま・・・」とキスをして


残りのパンケーキを頬張った・・・・・