梅雨の晴れ間に一気に洗濯!!

働きに行く翔ちゃんの

パンツ、Tシャツ、靴下、ハンカチ・・・・


それから・・・・ガウン


洗濯機に入れる前にそっと匂いを嗅いでみる


あっ、翔ちゃんの匂いだ!


いつもつけているコロンの匂いかな?


ちょっと違うか?


ふんわり包んでくれる


この匂いが僕は好き


手に持つガウンに顔をうずめる・・・・・




「・・・・翔ちゃ~ん」




顔をフリフリさらにうずめる



「・・・・・。ふふっ、これじゃちょっとした変態だ」



名残惜しいかなガウンを洗濯機にポイッ、



電子音がなるまで


しばし、作りかけのキーホルダーを手にとる



「紫陽花って・・・・いろんな色があるって知らなかったな」



紫、ピンク、白、青、黄緑・・・・



雨が降るときれいに見える花・・・・


雨男の僕としては大歓迎だね!



この頃花詞に凝っている翔ちゃん・・・・


紫陽花って、どんな意味があるのかな?






『紫陽花の花詞』

「移り気」「変節」「辛抱強い愛情」「浮気」「高慢」「あなたは冷たい」等々・・・



「ふぇ~、なんだかあんまりいいこと書いてない・・・・・」



「移り気」と・・・・「浮気」ってどう違うのかな?


少しだけ心の中がざわついた・・・・








斗真のお店に作品を卸しに行った帰り


翔ちゃんに何か贈り物がしたくて思い切って


少し先のアンティーク雑貨店に行くことにした


私服の翔ちゃんは指輪やネックレスが好きで


よく身に着けているから・・・・



「喜んでくれるかな?んふふっ、」





お店に入ると、

それなりの雰囲気のある素敵なお店で


でもちょっと緊張しちゃうかな・・・


僕なんかが早々来れるようなところじゃ無い


感じだ・・・・


翔ちゃんの気に入りそうなアクセサリーを


買ったら速攻で出なくっちゃ!





ショウウィンドウ越しに眺めていると


翔ちゃんに似合いそうなネックレスを見つけた



店員さんを呼ぼうと店を見渡すと


奥の方で聞き覚えのある声がした・・・・・



「・・・・翔ちゃん?」



声のする方に歩いていくと・・・・・



やっぱり、翔ちゃんだった!



小走りに近づいて声をかけようとしたら


隣にいる綺麗な人が目に入る・・・・


翔ちゃんの腕に手を添えて・・・・


二人でガラスケースの中を覗き込んでいた



トクンッ



小さく鼓動が跳ねた




僕は何故だかその場所から

飛び出していた・・・・



見たくないものを見てしまったから




翔ちゃんの・・・・

見たこともないような

優しい微笑みを・・・・



翔ちゃん・・・・・



なんだかわからないモヤモヤを抱えたまま


僕は急いで家に帰った