今日は、俺の本業がある日。


午後からスタジオに行かねばならず、智くんともしばしお別れ・・・


いつもよりも増していきたくない気分・・・・・


俺・・・マジでここに転職させてもらおうかな・・・・


さすれば、おのずと智くんのそばにいられるし・・・はははっ、






「なに、一人で寸劇やってるの?」




見れば俺の大好きな顔がのぞき込むようにフワリ笑う


あぁ、なんたる初々しさ!


そこいらのオナゴより可愛い!




「智くん・・・しばしの別れでござる・・・」




「・・・大げさだな、今日は帰り遅いんだよね?」




「はい・・・日付が変わってしまう頃に戻れるかと・・・」




「ふふっ、丁度いいや、帰ってきたら起こしてくれる?」



「えっ?・・・・だって・・・部屋入っていいの?」



「?いつだって入ってくるじゃん?何を今さら(笑)」



「それは昼間の事でしょ?夜に入ったことなんかないから」




不思議そうに首を傾げる智くん・・・・・




あぁ、俺はいったい何を話しているのだ?





「わかりました、帰ったら智くんを起こせばいいのね?」




「うん、お願い!多分、眠っちゃってると思うから」





玄関まで俺を見送って手まで振ってくれる


あぁ・・・なんという幸せ・・・・・



って、なんだ今日の俺?!!



自分のようで自分じゃない不思議な感覚だ



気のせいか?肩も重だるいし・・・・





スタジオにつくと喉の渇きをおぼえ


無性に水が飲みたくてたまらない


2リットルのペットボトルを一本丸っと空けてしまった




・・・・・俺、やっぱりおかしいかも?




身体の違和感はあるものの特にそれ以外は

支障なく・・・次々と仕事を片す

早く帰って智くんの顔を見たいのだ!!




滞りなく仕事を済ませ帰り支度をしている時だった


部屋の隅に何かを感じて凝視する


・・・・・・気のせい・・・気のせい


見えない俺にはなんにも見えない!!




・・・・・・・・・・・・。



だぁ~・・・・なんなの?


どうして、そこにいるの?



よく見ると、小さい女の子


親指姫っていたらこんな感じってぐらい


小さい子・・・・



真っ白ワンピースを着ている

ニコニコ微笑んで俺を見る



どうするのこれ?


一応声をかけてみる



「あの~・・・帰りますが、いいですか?」



・・・・何も言わずにやっぱりニコニコ微笑むだけ

特に動く気配もなく

俺は・・・小さく一声かけて

部屋を後にした




家につくと部屋の明かりはついているものの

智くんは寝ているらしく

寝室の前で大きく深呼吸する・・・・




「ふっ~~」




トントン、




「智くん、入りますよ~」





薄暗い部屋の中で

もそもそ動く気配

起きたのかな?

智くんに近づいて確認しようとしたとき


その傍らにいる!


小さい子!




「わぁ!!!!」




慌てて口を抑える




「うわぁ!!!何❓どうした・・・翔くん?」




その声に驚いて起きた智くんが



俺を凝視する・・・・・・



「ご、ゴメン・・・・起こしに来たんだけど・・・・それ・・・」




小さい子を指さし智くんに縋る・・・・・





「あぁ、ゴメン、これね俺の式・・・ふふふっ、もういいよありがとう」





そう言うとフワッと浮かび上がり白い紙が宙を舞う・・・・



「へっ・・・・・智くん?」



「さてと・・・・翔くん、ちょっとこっちきて(笑)」



「えっ?・・・あぁ・・・」




智くんのベッドに腰かけると



上半身を起こした智くんが


背中から俺の肩に手を置いた



(!!・・・・・えっ・・・さ、智くん?な、何するの?)



一瞬にして頭の中を駆け巡る不埒な妄想が


俺の身体を熱くした・・・・・



「あぁ・・・・翔くん、顔だけこっち向ける?」



(智くん💛そんな・・・・等々・・・俺まだ・・・心の準備が)



恥ずかしくも過敏に反応する俺の息子君・・・・


静かに目を閉じて差し出す唇・・・・・



「・・・・・プッ、、ククククッ・・・んはははっ・・・・」



突然笑いだす智くん・・・・



「な、なに?どうしたの・・・・」



「・・・・ゴメン・・・クククッ、あのね翔くん、今日身体おかしくなかった?」



「へっ・・・・あ、あぁ、おかしかった!やたら喉喉渇くし、肩重いし・・・」




えっ・・・・もしかしてこれって・・・・!?



とたんに顔から火が出そうなくらい血が逆流していく俺!!!



うわわわわああ・・・・・




「・・・・・・・・・・・・。」




「翔くん?・・・・どうした?」




居たたまれず・・・泣きそうになるのを必死で我慢して



と、いうか・・・・・



人生はじまって以来のピンチ??



これをどう言い訳したらいいものかと・・・・




どさくさに紛れて・・・・言ってしまおうか?


いやいや、それでここにいられなくなるのは嫌だ!


頭の中をものすごいスピードで自問自答している俺・・・・・




・・・・・戻ろ。は、恥ずかしくて顔も上げられん!



「なんか・・・ゴメン、俺戻るよ・・・」



「ふふっ・・・もう大丈夫だから、あっ!それと・・・・


よく眠れるおまじない・・・・・・・クスッ・・」




そう言うと背中越しに智くんが俺の頬にkissをした





「おやすみ!翔くん・・・・」






ガバッと・・・・布団にもぐる智くん



何が起きたか理解できずにフラフラと


部屋を後にする俺・・・・



右の頬に手を添えれば、智くんの唇が触れた後から


じんわりと広がっていく甘~い熱・・・・・





智くん・・・・・


益々、眠れないんですけど俺~~~~~!!!!!





地獄のような一夜を過ごしたのは言うまでもない・・・・・









*****************







「・・・・・余計なことしたかな?(微笑)」



布団の中でさっきの翔くんの頬の熱を


思い出していた・・・・


「熱かった・・・湯でタコみたいで・・・(微笑)」


あんまり翔くんが真っ赤になってて可愛かったから

大胆なことしちゃった・・・・




今朝・・・翔くんに白っぽい靄が肩にかかってて

夜までなくなってなかったら

払ってあげようかなって思ってたんだけど・・・

んふふっ・・

ダメだ、思い出しちゃう・・・


「プッ・・・クククッ・・・・(笑涙)」



あはっ・・・式・・・まわして正解


結局、靄残ってたからな~


でも翔くん・・・・・あれも見えちゃうのか・・・


素質あるかも!!!





おやすみ・・・・翔くん