あなたがいなくなった後
どうしようもないほどの虚無感が僕を襲う





あなたのいない世界は僕には
考えられない
今さらながら
あなたの存在の大きさに気づかされた

僕の人生において
あなたは不可欠
再びあなたに逢える時まで

その時まで恥ずかしくない男になる
そのためだけにがむしゃらに
学び、働き、自分自身を磨き続けた



ようやく手にしたキャスターの仕事が
軌道に乗り安定した地位と収入に恵まれ




日々のスケジュールも立つようになった
そんなある日、取材の仕事が入った

現地まで行きリポートする

場所は蓼科

内容は現地入りしてからの打合せとなる



「蓼科か・・・・何年振りだろう?」


昔若いころ、仕事がうまくいかず
一度だけ無断で休んで
スキーに出かけたことがあった
その時の話を
あの人は楽しそうに
聞いてくれたっけ


一度、一緒に行ってみたかった場所
自然が多いし、、空気もきれい
美術館もあって・・・


外観が大好きな
プチホテルには
暖炉もある

あなたとその前で
夜通し語り明かしてみたかった
ワインなんか手にして
二人の未来を語りたかった



数日後、現地に行き
取材の打ち合わせをした

若い芸術家にスポットを当て
その作風や実際の制作風景
普段の私生活等を紹介する内容になっていた


芸術家か・・・


そういえば・・・
あの人も暇のない中
寝る時間が無くなるまで
自分の好きなことしていたな・・・
絵も・・・上手かった
粘土もしてたっけ

爪の中真っ黒にして
よく怒られていた(苦笑)


懐かしい



なんだか無性にあなたに会いたい











僕は・・・あなたに相応しい男に
なれているだろうか?
今度こそ言葉を間違えない
あなたと伴に・・・
そう伝えたい












僕の日課・・・




それは火曜日の朝から始まる
録画しておいた番組を
コーヒーとともに観る
君を見られる唯一の楽しみ

頑張ってきたんだね
益々男らしくなって・・・

イケメンだ(笑)

あの時・・・・
君の手を取らなかったのは
正解だった
こうして立派になった
君を見ることができて
僕は幸せだよ

・・・・本音いうと
そこに僕の居場所が
ほんの少しあったらなって
思うけれどね




でもいいんだ
これで


僕もあれから
色々と挑戦してきたよ
好きな道を探して
進んできたことに
後悔なんてない







後悔・・・

あぁ・・・ひとつだけあった

君を好きだって
伝えられなかったこと
それだけ

僕の中において
唯一の後悔だな

もう逢うこともないだろうから

万が一君と出逢えたら
その時は

伝えよう

君を今でも好きだってこと

どんな顔するかな君は・・・
んふふっ・・・

百面相だなきっと(笑)


逢わない時間は
心穏やかにしてくれる
このまま忘れるものだと
思っていたけれど

僕の中で君の存在は
大きくなるばかりだ
これじゃ・・・恋人なんか
作れるはずがない

おかしいだろう
僕は君以外に興味がないようだ


・・・逢いたい

逢いたいな・・・
君の笑顔が見たい

翔・・・・・










逢いたい・・・・