「ニノ!こっち」


潤くんの声のする方に振り向いて
片手を上げる

「わるい、遅れた」

「何?またゲーム?今度は誰と対戦したの(笑)」

「あぁ、夕べはね、ブラジルの人、これがメチャクチャ強いのよ!!」

クスクスと笑って俺の話を面白そうに聞いている潤くん

彼はこれから渦中の人になる(笑)
俺の交渉は、ほぼ完ぺきにまとまり
誰もが文句の言えないような仕上がり
自分でも惚れ惚れする、ふふっ

後はこの人が爆弾を落とす
それで翔さん達のガードは完全に外れて
フリータイムの到来!!!

ゲームのようにすんなりいく筋書きに
大満足の俺!

「潤くん・・・しばらく外、出歩けないけどいいの?」

ミルクたっぷりのカフェラテを飲みながら
俺を上目づかいで見るその瞳には
大物の余裕を感じる・・・

「ふふっ、俺を誰だと思っている、Mr. M・Jだからな
まったく気にしないし、出かけたいときに出かけるさ
文句言わせない、それに・・・その通りになったとしても
俺はいいかな・・・なんて思ったりして、はははっ」

「ぅえぇ?マジで、そうだったの?」

「・・・嫌いじゃないよ、一番じゃないけどね・・・」

ふと視線を下げてそう話す潤くんはきっと
いま、あの人の面影を追っている

丸一日過ぎたころ・・・翔さんからメールをもらった
短いけど幸せそうなメールを・・・



この計画の事は翔さんにも話してなかったから
リーダーとしばらくは別行動にさせられたままだと思い込んでいる
話してもよかったんだけど・・・こんなメール貰ったら
イジワルしたくなるわけよ・・・
当分、一人でハラハラ、ドキドキしてたらいい


「ニノ?どうした、またよろしくないこと考えてたんだろ?」


「なんでよ、人聞きの悪いこと言うなって!」


カフェラテをグイッと飲み干してカップを静かに置きながら



「だって、すっごい楽しそうな顔してたから・・・
ニノのその顔って
あれだ、Sっ気あるときだからさ」



「オッと・・・読まれてる?さすが J よくわかったねぇ」


「あれでしょ?メール見たから?」


「フンッ、それくらいはさせてもらわないと
それだって足りないでしょう・・・・・・」

「まっ、落ち着くところに落ち着いたんだ
良し!としましょう・・・さて、いきますかねぇ・・・」



「潤くんも損な役回りだね・・・」

俺は珍しく会計表を掴むと潤くんに声をかけた

「・・・好きでしてることだからね、損?とは思わないよ
ニノも・・・でしょう?」

確かに・・・理屈抜きで勝手に身体がそうなっちゃうんだから
仕方がない、それだけ愛されてるってことなんでしょうよ・・(笑)

「ってか・・・ニノ?どうした?財布持って来たの」

俺の手元をじっと見ている

「たまには俺だて、こういうことするんですよ!!」

「へぇ~・・・じゃっ、遠慮なく!」



この後、潤くんの思惑通り
しばらくは、飛び出した記事の話でもちきりになり
事務所はその対応に追われ
翔さんの心配をよそに
我々の環境は元に近い状態に戻りつつあった
噂の本人といえば、しれっとしたもんで
その後もその当事者とご飯にいったり、今まで通り
何も変えることなく日々を過ごしている

大物たるゆえん?
余裕のMJ・・・ははっ、恐るべし
結局く
二人の笑った顔が
みんな好きなんだから・・・

ずっと一緒にいること
それが一番の報酬・・・かな?






それと
翔さん・・・俺等は
諦め悪いこともお忘れなく(ニヤ)