月の光にたたずむ








綺麗だ・・・

智くん、とても綺麗だ


夢中であなたを求め、抱きしめる


言葉は悪いが・・・・

「貪る」とは・・・きっと

こんな感じなのだろう・・・

我を忘れ・・・

ひたすら満たされるまで・・・・



俺は・・・飢えていた

心も身体もすべてが智くん・・・あなたを

求めていた




もうこの腕に抱くことはないと

そう、思っていたから・・・・



今、この瞬間もこうして

あなたの温もりに触れ

あなたの甘い香りに酔う

儚く消えてしまわないかと

不安で仕方ない夜は・・・もう来ない


それが俺にとってどんなに幸せなことか

あなたにはきっとわからない



いつも・・・恥じらいながら俺に応えるあなた



こんなに大胆で

こんなに激しくて

こんなに求められたことなんて

今まであっただろうか・・・




俺の知っている智くんは・・・

きっとほんの一部に過ぎなかった

あなたを再びこの手にした喜びと

新しいあなたを見つけた喜び



胸がいっぱいで・・・・

ただ、ただ・・・・

あなたが・・・智くんが愛しい


こんなにもあなたが情熱的に想いを伝えてくれるなんて

夢みたいだよ・・・



あぁ・・・

このままずっとあなたと一つになれたら

俺は・・・死んでもいい

あなたに抱かれて逝けるのなら

こんなにうれしいことはない

それくらい俺は・・・あなたに溺れている

どうしようもないくらいに




震えているんだ・・・

あなたを想うたびに歓喜で身体が

震えている


吸いつくような素肌は俺の脳髄を刺激して

理性の箍をあっけなく外す

それほど・・・智くん

あなたは魅力的なんだ


誰の目にも触れさせたくはない

俺だけの天使でいて・・・


この先も・・・未来永劫




俺のそばにいて欲しい・・・・・




「智・・・くん」


やっとの思いで、あなたから離れる

今宵のあなたは

俺に話す時間さえ与えてくれない程

求めてくる・・・

逢えない時間を取り戻すかのように

俺を追いかてくる



あなたに付いた赤い跡を再度吸い上げれば

昨夜とは比べ物にならないほど嬌喜の声を上げる


その声に・・・また、俺は嵌って行く・・・


「翔・・・」


熱をおびた吐息交じりに

愛しい人の唇が俺の名前を刻む

ずっと聞きたかった響き・・・

あなたからの

愛の言葉・・・・・



「翔・・・・」


「翔・・・・」




ゴメン・・・智くん

限界だ、俺・・・・・・




あなたを抱きかかえ

蒼白く照らし出された

布の波に身を移す・・・・



軋む音が俺の鼓膜をさらに刺激する

二人分のその音色に酔いしれる・・・



そして・・・

月の光が照らしだした二つの影は


今、一つになる・・・・