夜のとばりが二人を包み隠す



月明かりが差し込むだけの

薄暗い空間が

すべてをさらけ出させる


思うままに引き合うように


抱き合い確かめ合う二人に


月光は優しく降り注ぐ

その肩に

項に

頬に

鼻筋に

瞳に

求める唇に










翔・・・

翔・・・



何度も名前を口にしたい

ずっと呼べなかった名前を




「しょ・・・・」



それは・・・甘美な

求めてやまなかった温もり・・・

熱い想いが伝わる



君の唇から



俺に語りかけてくる



アイシテイル・・・と


その想いが

しっとりと俺を包みこみ

そして慈しむ・・・


君が離れてしまわないように

舌先に触れた君の存在を確かめるように

更に深く君に向かう

息が続く限り求め続ける


一時も離れたくはないから・・・

二人の熱が流れ込み混じり合う

口腔の隅々まで君の愛を探す

吸い上げ絡め合いそこにある愛を探す



何も聞こえない

自分の鼓動と君の息だけ・・・

そして繋がり続け潤う音色のみ



いつしか

頬に添える手が後頭に回る

さらに深くなる口づけに


もう・・・何も考えられなくなっていた



君しか見えない

君しか聞こえない



翔・・・

翔・・・




君だけがここにいる




翔・・・


翔・・・






左右に揺れる鼻先から

甘い熱が溢れだす・・・

昂ぶりを抑えられなくて

君の太くたくましい首に腕をまわす

溢れる雫は喉を辿り

胸元へと流れだし


服の色を変えていく


遠慮がちに

背に回される君の腕に力が入る・・・


きつく抱きしめて・・・

壊れるくらいきつく・・・・

離れないように



もっと君を・・・

深く感じたい




翔・・・・・

翔・・・・・