薄れゆく記憶の中で

幾度となく名前を呼ばれ揺さぶられる





初めてお前が俺に触れた夜・・・




抑えきれなくなった俺の身体は

お前を求め始める

何度達しても

何度果てても

俺の身体はお前を欲しがる

 




「制御不能」





俺の中で何かがはじけた

走り出した感情は留まることを知らず

お前へと流れ出す


待ち構えていたかのように

微笑むお前は何かを話し始めた


 

・・・・・お前の正論?




あぁ・・・そうだ

俺はお前から逃げたんだ




自分の想いに押しつぶされて





逃げて逃げて気づけば

誰にも渡したくないほどの

欲望しか残っていなかった

浅ましい程の強欲が

 


笑いたければ笑え

それでも俺はきっと正論を口にする

そして何を言ってもお前は俺を離さないだろう

ならば俺は正論を口にし続ける

それが俺の証だから

 




薄気味悪いほどの快楽を


知った俺にさしのばす手など


もう無い・・・・


お前以外は

 






気だるく横たわる俺の身体を眺めているお前に


ゆっくりっと語り始める


お前の欲しがっている言葉を


伝えるために






「翔・・・・俺は・・・・」

 



薄らと微笑むお前が俺の瞳に映る






二度とお前から
・・・・・ハナレナイ

その言葉を呑み込んだ