sho to satoshi vol.8



・・・・・ん?コーヒーの香り

いいね・・・




ガバッ!!!




なんで?どした?誰がコーヒー?



急いでリビングに行くと・・・・



「おう、おはよう翔ちゃん、まだ寝てればよかったのに」



「おっおはよう・・・ってか何してんの?」



「ん?朝飯の支度」



「・・・・・。」




そっか、昨日から一緒に住むことになったんだっけ



「もう酒抜けたの?だいぶ酔ってたけど?」



寝ぐせのままパンを焼く智くんが


妙に幼く見えて・・・またもや


訳のわからんモヤモヤが・・・・朝っぱらからなんだ俺?



「もう少しでできるから顔洗って来れば?頭爆発してるし(笑)」



「それは、あなたも一緒でしょ?」



「俺はいいんだよ。今日は午後からだから。早くイケメンになって来いよ」


そう言ってニコニコして俺を見る・・・


・・・・可愛い。


マジ、可愛い・・・・



「おい?・・・翔ちゃん?しょう~ちゃん?・・・翔!!」



「えっ、あれ?」



「何寝ぼけてんの?しょうがねぇなぁ(笑)」




・・・・・なんか俺泣きたくなってきた



こんな朝初めてだ・・・・


誰かいるってうっとおしいだけかと思ってたけど



ホッとする・・・




「そう言えば、今日はあれだろ?デート・・・」



「えっ。」



デート?はっ!そうだった、今日付き合って一年記念日だった


やっべ~!何にも用意してない。


・・・・ん?何でそれを智くんが知ってる?


「あのぉ~何でそれを?」



見れば智くんがクイッと顎でカレンダーを示す



・・・ああぁ、バカみたいに綺麗なはなまる書いてある


おまけにご丁寧な記載も・・・・



「俺、今日はあっちに行ってようか?ここ来るんだろ?彼女」



「いや、その・・・多分来ない。ここへは・・・」



「遠慮しなくていいよ、俺適当にしてるから


それに帰り遅いし・・・」



智くん?


一瞬、すっごく寂しげな顔した気がしたけど・・・





シャワーを浴びてる間、ずっと考えてた


カレンダーが・・・色あせて見えてしまってること


今日のデートが、面倒くさいと思ってること



智くんにはここに帰ってきてほしいと思ってること


でもそれが何でだかはわからない


体調が悪いのか?


飲み過ぎのせ?


最近、俺疲れてる?


でっかいため息をひとつ吐く







浴室からでると香ばしいパンの焼けた匂い


久々の朝食というものをいただく









これがまた、うまいこと旨いこと!


智くん、あなた天才!




そんな俺を複雑な顔で智くんが見ていた・・・・・