
潤に促され店を出る・・・
どこをどう帰ったかなんて覚えて無くて・・・
気が付いたら智くんのマンションの前にいた
どの位そこに居たのだろう・・・
昨日の今日だ・・・会いたい気持ちを押しとどめて
それでも心は智くんを求めて・・・
アンバランスな精神状態で立っているのがやっとだった。
春先・・・俺の家でくつろぐ智くんが
ふと口にした言葉・・・

「なぁ~翔くん・・・嵐じゃなくなったら翔くんどうする?」
「えっ、なにその質問?(笑)嵐はまだ当分継続するって
心配ないと思うよ。」
「いや、だから、なくなったらの話。生活すること考えたらさ、
働いたりするわけでしょう?」
「まぁ、そうだけど・・・」
「翔くんは、立派に独り立ちできるから安心だね。」
「そんなことわからないよ、だって、「嵐の櫻井 翔」って言う
付加価値で、今の地位があるわけだからさ」
「ううん、大丈夫だって、俺が保証する」
「そう?智くんがそう言うなら安心だね。(笑)智くんは、
好きなだけ絵を描いたらいいよ、後の事は俺がいれば生活していけるからさ」
「・・・・・うん。そうだね・・・。

じゃぁ、俺は家事でもするかな・・・昼間は俺が奥さんで
夜は翔くんが奥さんね!」
「ブッ・・・何言ってんの(赤面)さ、智くん?」
「はははっ、いいじゃんそれで。翔くんの誕生日は毎年おれがケーキ焼くから」
「・・・夜は俺が奥さん???・・・・ぬぁ~無理だって」
「ふふふっ、だから、もしもの時だろ?・・・あっ、変なこと考えてただろ?」
そんな平凡な幸せなやり取りに深い意味があるなんて
思ってもみなかったんだ。
智くん・・・・俺は、智くんがいないと・・・・
いつの間にか、智くんに甘えることしかしていない
自分の姿を思い知った。
何も言わず俺の傍にいてくれた智くん・・・
ゴメン・・・
傍にいることで安心してしまった俺・・・・
ゴメン・・・
いくつになってもあなたの大きさには
かなわない・・・・
意識が遠のく・・・・・