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こんにちは、Masakoです。
(↑名前をクリックいただければプロフィールに飛びます)
常夏マレーシアで家事と子育ての傍ら、
石けんを手作りしたり、たまにセミナーを開催したりしてます。
4月からこのThe Stories of Us に参加させていただくことになり、これで2回目の投稿です。
よろしくおねがいします!
今日は日本語環境で暮らしていない子供たちへの
日本語のバイリンガル教育について私がどう取り組んでいるのかをご紹介します。
私はボランティアで日馬(日本とマレーシア)ハーフの子供たちに日本語を教えています。
今、教えている子供たちは6歳から8歳までの8人。
皆、地元のマレー系や中華系の学校、もしくは
インターに通っている子供たちです。
日本語のレベルも、日常会話ができるレベルからほとんど全くしゃべらない子供まで様々。
この子たちを教えてきて今年で3年目。
最初のころは、おしゃべりやお友達にちょっかいを出したがる、席に着いていられない子供たちばかり。
このくらいの子供たちは集中力があまり持続せず飽きやすいので、
1時間の授業を10分単位に区切って、5~6種類のアクティビティをさせていました。
例えばこんな感じです。
①ひらがなの練習
⇓
②覚えたひらがなをホワイトボードに書く
⇓
③反対語のカード合わせ
⇓
④反対語の読み方と意味を考える
⇓
⑤絵本の読み聞かせ
⇓
⑥ひらがなかるた
①まずはひらがなの練習。これはひらがなの練習専用のテキストを使っていました。
最初は鉛筆の持ち方や線を引く練習から。
②ひらがなのテキストで書いて覚えたら、
今度はこれをホワイトボードに書いてもらいます。
たとえば、その週の課題があ行だったら「あいうえお」をまず①で練習した後、
ホワイトボードに「あいうえお」を書いてもらいました。
覚えないと、前に出て書くことができないので、
みんな一生懸命ひらがなを覚えてくれます。
書くときに子供たちは机から離れて
自由にホワイトボードと机の間を行ったり来たりできるので、
じっと座っていられない子もこの間にちょっとストレスを発散できます。
また、ホワイトボードのマーカーも
色とりどり準備しておいて、好きな色で書いていいことにしていました。
子供たちはこのアクティビティが大好きで、
書いたらいつもとても誇らしげに見せてくれます。
③④反対ことばや、動物の絵あわせのカードなどをいろいろ用意して、
アシスタントのお母さんたちにも手伝ってもらって、
ゲーム感覚で語彙を増やしたり、読み方を練習したり、意味を覚えたり。
絵があるので、普段聞きなれない言葉でも結構みんな理解できるようになりました。
⑤週替わりで絵本を持ってきて読み聞かせをしました。
これも、子供たちが楽しみにしていた時間。
たいてい3冊くらい用意して、
どれを読みたいのか子供たちに選んでもらっていました。
絵本を読んでいると、途中で
絵本と関連する自分が知っていることなどを、
子供たちがどんどん発言することもあります。
そういう時には、絵本を一時中断して、
その子が言いたいことに耳を傾けます。
絵本を読む時の目的は、
絵本の内容を伝えるだけでなくて、
子供がその絵本をきっかけにもっと日本語に触れるのが目的です。
この読み聞かせの時間も、子供たちが楽しみにしているとても楽しい時間でした。
⑥最後はみんなで床に座ってかるたとり。
最初のころはひらがなかるた。
カタカナを覚えたらカタカナかるたもやりました。
これは今でも続けているみんなのお愉しみの時間の一つ。
ひらがなが読めるようになると、
かるたの読み札を読みたいという子には積極的に読んでもらっていました。
実はかるたをとる以上にかるたの札を読むのは難しく、子供が読むのは時間もかかるのですが、
読むのも学習のうち。
ひらがなを読むのもやっとというくらいたどたどしかった女の子も、かるた取りで自分が読む係になれる事で、読むことに自信をつけてくれ、ぐんぐん読む力がついてきました。
今では2~3人は札を読みたいという子がいて、
私が札を読まなくてもかるたとりが進められるくらいまでみんな上達しました。
最後に日本語で数える練習にもなるので、
何枚取れたか、自分の札を数えて報告してもらいます。
その子の「やる気」と「できる」という自信を育てる
おうちでのお母さんの努力があっての日本語バイリンガル教育。
日頃から日本語で話しかけている家庭ほど、子供の日本語も上達するし、
日本語の絵本やテレビに積極的に触れさせることで、
その子の日本語のセンスは磨かれます。
私は隔週で一時間教えるだけなので、
日本語のクラスは、“しっかり日本語を勉強する時間”というよりは、
“日本語を学ぶ動機付けの時間”だと思っています。
そして、日本語を子供たちに教える際に私が気を付けていることは、
その子の「やる気」と「できる」という自信を育てるということだけ。
普段日本語の環境で過ごしていない子供たちにとって
日本語を学ぶというのはそれだけで実はストレス。
だから、教室に来てくれただけで上出来。
読み方や、書き方に必要以上にダメ出しはしない。
読みたくない子は読まなくていい。
書きたくない子は書かなくていい。
カードをしたくない子やカルタをしたくない子は
アシスタントのママに絵本を読んでもらったり。
そして、少しでも出来たらとにかく褒める。
そういう動機付けを続けているだけでも、
書けなかった子が今ではスラスラと書けるようになったり、
読めなくてもじもじしていた子も、
教科書を読みたいと手を挙げてくれるようになりました。
成功体験を積み重ねることが本当に大切だなと感じています。
とはいえ、私も自分の子供たちに対するバイリンガル教育が思ったように行えているのかというとそうではなく、
クラスで教えるのと、家庭で日本語を教えるのとでは
勝手が全く違うなあと感じます。
これからも、トライアルアンドエラーを繰り返しながら、
我が家に合うバイリンガル教育をさがしていこうと思っています。