誕生日: 1962年8月15日
星座: 獅子座
誕生石: ペリドット、サードニクス
宇梶剛士さんは東京新宿生まれの俳優です。
優しい紳士的なイメージがありますが、暴走族の総長だったというとんでもない過去の持ち主でもあります。
生い立ち
生まれた時は5,000グラムと大きく、成長後も体格に恵まれ打ち込んでいた野球でプロからも注目を受けていたという宇梶さん。
もちろん当時の将来の夢はプロ野球選手でした。
宇梶さんの父親は建設業をしており地方に出張に行くので家に帰ってくるのは大体月に一回。
母親、宇梶静江さんはアイヌの詩人・古布絵作家、民族運動家で、よく家を不在にしており、家族バラバラだったそうです。
このため十分にコミュニケーションが取れないことが原因で青年期まで宇梶さんと母親の間には確執があったそうです。
非行の道へ
高校の野球部でいじめやシゴキにあい、告発した宇梶さん。
学校側の反応はというと、宇梶さんに2ヶ月野球をさせず、グラウンドの端に監視付きで立たせて丸々隠蔽するというものでした。
宇梶さんは元々正義感が強く、周りの先生や大人が一切その件について宇梶さんに触れないことについて納得出来ず、この件で大人が信用できなくなってしまいました。
プロ野球選手を夢見ていた宇梶さんが見たのは絶望でした…。
そして理不尽な対応に気がおさまらない宇梶さんはその後暴行事件を起こし、少年鑑別所へ。
出所後親戚の叔父がいる北海道で働くも更生できず、東京に戻り暴走族「ブラックエンペラー」に入団します。
ブラックエンペラー
宇梶さんはそのヘッドとなり、7代目名誉総長となりました。
当時宇梶さんは約2,000人を部下に従えていたといいます。傘下も含めると約1万人…。
たった1人で1,000人を叩きのめしたという伝説もありますし、タレントで元暴走族のヒロミさんも、「僕らがガキだった頃、とんでもなく有名だった人」とコメントするぐらい総長としてカリスマがあったようです。
良い悪い関係なく、総長として名を馳せたのは、当時から宇梶さんに統率力があったこと、そして何より人望があったからだと思います。
少年院へ収容
暴走族同士の抗争で暴力事件が起こり宇梶さんは逮捕され、少年院へ行くことになりました。
ここで母から送られてきたチャールズチャップリンの自伝を読んで改心します。
↑あくまでイメージです。
「それで自伝を読んでみると、それまでチャップリンに抱いていた「華やか」とか「全てがうまくいっている大スター」というイメージが覆されました。すごく孤独で辛い幼少期を過ごしていたことを知ったんです。
大きな苦しみや悲しみを抱えながらも、人々に笑いや感動を与える仕事をしてきたチャップリンの生き方に、心が揺さぶられましたね。それまで抱えていた、どうしようもない悔しさや怒りが、揉み解されたように感じたんです。不良って、「なめられてたまるか」とか「俺は負けない」という、気持ちの鎧を着ているんですよ。チャップリンの自伝を読んだことによって、その鎧を、自然に脱ぐことができました。」
こうして「不良はなしだ」と決めた宇梶さん。
人に何かを訴えられる仕事がしたいと俳優を目指します。
下積み時代を支えてくれた恩人達
宇梶さんは下積み時代が長く、30代までコツコツ地道に活動していたそうです。
体格もよく目付きもギラついていて少年院出身の宇梶さんを叱ってくれる大人が現れない中、4人だけが本気で叱ってくれたと言います。
その恩人とは、付き人をしていた錦野旦さん、親父と敬意を込めて呼んでいた菅原文太さん、縁があり会った美輪明宏さん、渡辺えりさんです。
「たかが10代の子どもだったんです。心も経験も、考え方もまだまだ子ども。4人は僕の容姿や経歴ではなく、育ちきっていない心を見てくれました。」
なかなか俳優として芽が出ず苦労した宇梶さんですが、少しずつ成功していきました。
「それに、僕には「逃げたい」という気持ちもありました。過去に戻りたくない、あんな辛い心の闇を抱えたくないという気持ちから、必死に俳優にしがみついていたんですよ。ただ、それでも逃げる先は、俳優に続く道を選んでいました。逃げた方向と、進みたいと思う方向が同じだったんです。
きっと、過去から逃げたいという気持ちだけで俳優を目指していたら、すぐに挫折していたと思います。逆に、前向きな気持ちだけで進んでいても、大きな壁が立ちはだかったときに、必死に越えようとすることはできなかった。今振り返ってみると、「逃げたい」と「前に進みたい」という相反する気持ちがあったからこそ、なんとか続けてこられたのかもしれません。」
なぜ非行に走るのか?
「生まれつきの不良なんていうのは、いないんですよね。みんな挫折などによって、気持ちがねじれた結果、不良になってしまう。そのねじれた気持ちにどうにか抵抗しようとしてあがいていて、僕の場合そのあがきが、ケンカであったり、オートバイで走り回ることだったりしたんです。僕の中で一番ダサい歴史ですよ。結果、少年院にまで流れ着いてしまった。」
非行に走る1つの原因ともなったいじめ、しごきについては
「いじめを受け入れることは『あってはならない事の日常化』であり、恐ろしいところに追い込まれているということ。」
といじめを強く批判されています。
今では再婚した一般女性との間に娘さんが1人います。(前妻さんとの間には男の子1人)
宇梶さんの教育ポイントは頭ごなしに大人が言わないこと、意見を聞くことだそうです。
過去の大人達の対応に納得できなかった宇梶さんだからこそ、そこから学び、お子さんに実践されているのですね。
沢山の修羅場を乗り越えてきたであろう宇梶剛士さん。
物腰が柔らかいのは本当に強いからでしょうね。
虫が苦手で甘いものが大好きというギャップも素敵ですね!
今でも非行少年達の希望である宇梶さん。
今後のご活躍もお祈りしています。
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