怪束電車 | 寄り道~Stories of my life~

怪束電車

(グオゥー、ガタン、ゴトン)


複雑な人の心を、ボクは蔑み

単純な動きを、繰り返していたのかも。


(グオゥー、ガタン、ゴトン)


帰宅の電車の座席は、死刑台のようだね。


青く照らし出された暗闇の、信号機を見た。

車窓に映るのは同時で、ボクの顔は、死んでいた。


(ガタタン、ガタン、ガガガ)


スピードを増す、快速電車の唸り声は、

無機質極まりないのだから。


(グオゥー、キリリー、キィー、ゴトン)


どうやらこのまま、火葬場へと

この鉄の棺桶は、直行するんだね。


座席で揺れる、ボクを乗せたまま。