アスファルトのひび割れを見つけた時、哀しみが降ってきました。
そこに、たんぽぽが咲いていたからです。
立ち止まり煙草に火を付けたら、花は踏み潰されていました。
僕は歩き出す。前を見て歩くことにしてみました。
行き先を決めず、なぜかバスに乗っていました。
シンナーを吸い始めました。
終点のアナウンスが告げられました。
バスの運転手が僕に向かってきて、僕は窓から飛び降り走りました。
この町を知らない。知らないけど、走っていました。
どこまでもどこまでも、僕は走ったのです。
右手にシンナー、左手にたんぽぽ。
24. Jan. 2007