満ちてゆく心 | 寄り道~Stories of my life~

満ちてゆく心


sakura
 


 もしかすると、僕はずっと、光を見ようとしていなかったんだね。

 ジメジメとした、奥底で、どこまでも続くと思っていたから。

 溢れてくる感覚に初めて気付いて、生命の感情は雄叫びを上げるみたいなんだ。

 廻り合わせの魂の息吹きは、もう何者にも、止めることは出来ない。


   ゆっくりと、ただ、ゆっくりと、この、静かな鼓動を。


 尽き果てることの無い闇だと諦めていたものだから、

 錆び付いていた両目が、いよ いよ、明るみに曝け出されてゆくんだね。


 光と影の表裏一体。


 美しい桜を見上げていたよ。