浪費した財をパチンコで補う図式が頭に出来上がってしまった。
最初のころは取っても取られても2~3万程度だったが、次第に感覚がおかしくなっていく。そのきっかけは10万を越える換金をした時からだった。
時間にして4時間もかからずに10万円が手元にやってくる。なんて簡単なんだろう。
そう思った時から、さらに頭のネジがぶっ飛んでしまった気がする。さらに追い討ちをかけるように、スロットにも手を出した。
当時は一万円が30分もかからずに消えてしまうような機種ばかり。しかし、一度出始めれば、30万くらいは当たり前のように換金できた。だからもくもくと一万円を千円に両替して突っ込んだ。
「いつか出るんだから・・・」
「出れば元は取れるんだから・・・」
「平気さ」
こんな嘘のようなことを平然と思っていたのが恐ろしい。
しかし、現実はそんなじゃない。勝った金はどんどん消えていく。あんなにお財布にパンパンに入っていたお金が、すぐに数枚になっていく。しかし、普通に考えたらこれが当たり前だ。
でも僕は普通ではない。当れば金が出てくる。そんな快楽を脳が覚えてしまっていた。
大丈夫・・・きっと出る。大丈夫、だってこの前は出たし。あと千円で当たるよ、たぶん。これでだめでもまだお金はあるし・・・あ、でもこれを使っちゃうと今月の交遊費がなくなるな。でも、このあと当たるんだし、平気だわ。
・・・うわ、だめだった。どうするよ?まだ口座にお金あるけど、食費だよ。・・・いっか、このあときっと当たるし!!
当たらねぇ・・・。食費だよ?食費ってことはこのあと俺は何を食っていけばいいのよ?やばい・・・どうする?
まだ家賃の支払い分が口座にあるけど・・・。
あとは想像に任せます。想像の通りの結果になっています。笑っちゃうくらいにどうしようもないけど、当の本人は真剣そのものです。
おもちゃみたいな機械を相手に、生活をかけてしまっていました。たかが遊びでしかないものが、生活を左右してしまうようなものになってしまっています。
しかし、この時点ではまだ借金をしていません。単なる一文無しになっただけです。
でも、そんなものはなんの苦痛でもないし、大して誰かを不幸になんてしない。むしろお金なんて持ってないほうが幸せなときがあるんだと・・・今だから思います。
なぜなら、この後すぐにキャッシングを覚えることになるからです。
借金を覚えるのです。