依存症(3) | The passenger of life

The passenger of life

人生という小さな小舟に乗りこんだたった一人の乗客。行き先を決めて進むのは自分。僕は人生をどこに向かわせるのか。流れにまかせるのか必死に舵をきるのか。さあ、どうなる?自分。

浪費した財をパチンコで補う図式が頭に出来上がってしまった。

最初のころは取っても取られても2~3万程度だったが、次第に感覚がおかしくなっていく。そのきっかけは10万を越える換金をした時からだった。

時間にして4時間もかからずに10万円が手元にやってくる。なんて簡単なんだろう。

そう思った時から、さらに頭のネジがぶっ飛んでしまった気がする。さらに追い討ちをかけるように、スロットにも手を出した。

当時は一万円が30分もかからずに消えてしまうような機種ばかり。しかし、一度出始めれば、30万くらいは当たり前のように換金できた。だからもくもくと一万円を千円に両替して突っ込んだ。

「いつか出るんだから・・・」

「出れば元は取れるんだから・・・」

「平気さ」

こんな嘘のようなことを平然と思っていたのが恐ろしい。

しかし、現実はそんなじゃない。勝った金はどんどん消えていく。あんなにお財布にパンパンに入っていたお金が、すぐに数枚になっていく。しかし、普通に考えたらこれが当たり前だ。

でも僕は普通ではない。当れば金が出てくる。そんな快楽を脳が覚えてしまっていた。

大丈夫・・・きっと出る。大丈夫、だってこの前は出たし。あと千円で当たるよ、たぶん。これでだめでもまだお金はあるし・・・あ、でもこれを使っちゃうと今月の交遊費がなくなるな。でも、このあと当たるんだし、平気だわ。

・・・うわ、だめだった。どうするよ?まだ口座にお金あるけど、食費だよ。・・・いっか、このあときっと当たるし!!

当たらねぇ・・・。食費だよ?食費ってことはこのあと俺は何を食っていけばいいのよ?やばい・・・どうする?

まだ家賃の支払い分が口座にあるけど・・・。



あとは想像に任せます。想像の通りの結果になっています。笑っちゃうくらいにどうしようもないけど、当の本人は真剣そのものです。

おもちゃみたいな機械を相手に、生活をかけてしまっていました。たかが遊びでしかないものが、生活を左右してしまうようなものになってしまっています。

しかし、この時点ではまだ借金をしていません。単なる一文無しになっただけです。

でも、そんなものはなんの苦痛でもないし、大して誰かを不幸になんてしない。むしろお金なんて持ってないほうが幸せなときがあるんだと・・・今だから思います。



なぜなら、この後すぐにキャッシングを覚えることになるからです。

借金を覚えるのです。