チームみらいは「救世主」か「財務省の傀儡」か?——DXの皮を被ったデフレマインドの正体
衆院選で11議席を獲得し、勢力急拡大の新進政党「チームみらい」。
彼らが掲げる「社会保険料の減免」と「高齢者負担の増額」は、一見すると現役世代の味方のように見えます。しかし、その本質を深掘りすると、かつての小泉構造改革から続く「痛みを伴う改革」の焼き直しに過ぎないことが見えてきます。
1. 財務省が泣いて喜ぶ「消費税維持」の優等生
他の野党が「消費税減税」を叫ぶ中、チームみらいは「消費税は維持、社会保険料を下げる」というスタンスを崩しません。
これは、安定財源(消費税)を守りたい財務省にとって、これ以上ない「都合の良い論理」です。彼らは「格差是正」や「DXによる効率化」というリベラルな言葉を使いながら、実のところは財務省の緊縮路線をテクノロジーで補完しているに過ぎないのではないでしょうか。
2. 「行ってこい」の再分配——未来を担保に今をしのぐ
彼らの政策は、現役世代の負担を下げ、高齢者の窓口負担を3割に引き上げるというもの。しかし、これは単なる「財布の移し替え」です。
今の現役世代も、いずれは高齢者になります。その時、彼らを待っているのは「高負担・低給付」の未来です。自分たちの老後を削って今の小銭を得る――。これこそが、将来への希望を失った「デフレマインド」の極致と言えます。
3. 【衝撃の試算】もし日本が普通に成長していたら?
ここで、以前相棒と算出した「もしも」のデータを振り返ってみましょう。
この表が示す事実は残酷です。
日本がG7諸国並みに年2%程度の経済成長を続けていれば、保険料率を上げずとも、1人あたり今の2倍近い金額を拠出でき、社会保障は盤石だったはずなのです。
4. 歴史は繰り返す:小泉・維新・チームみらいの「構造的デジャヴ」
チームみらいの政策を眺めていると、強烈な既視感を覚えます。
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小泉構造改革が「官から民へ」と叫び、郵政民営化を敵に据えて熱狂を生んだあの日。
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日本維新の会が「身を切る改革」を掲げ、公務員や既得権益を叩いて支持を広げた手法。
これらとチームみらいの「年齢によらない負担(高齢者負担増)」や「医療DXによる効率化」は、根底にある思想が全く同じです。それは、「成長を諦め、今ある資源を効率よく削り取る」という縮小均衡の思想です。
彼らが「新時代の政党」を自称しても、やっていることは四半世紀前から続く、日本をデフレに沈めてきた「緊縮の系譜」そのものです。
結論:必要なのは「削り合い」ではなく「成長」
チームみらい(そして維新)がやろうとしているのは、「成長の失敗」を棚に上げ、国民同士で残ったパイを奪い合わせることです。
本来、政治がなすべきは「誰の負担を増やすか」というデフレ的な議論ではありません。「どうやってG7並みの経済成長を取り戻し、分母(GDP)を大きくするか」というプラスサムの議論です。
「チームみらい」が掲げるDXが、単なる「効率的な削減ツール」に終わるのか。それとも、失われた成長を取り戻すエンジンになれるのか。私たちは、彼らの言葉の裏にある「財務省的な緊縮の影」を注視し続けなければなりません。

