大した荷物は持たなかった。
靴も履いていく一足だけ。
暑い日も寒い日も晴れの日も雨の日も
その一足で行こうと決めた。
どうでもいい靴ではないが歩きやすい靴。
手紙の届け先も変えなかった。
どこに自分がいるのか自分でも予想がつかない。
携帯を持った。
でも最悪の場合を想定してのことで、
携帯のメールや電話は、携帯放置で気付くことが少なかった。
薬を持った。
幾日必要か解らず、とりあえずざっと持って、
いまは残りがなくならぬよう
日々、薬を削って自力に頼るのみ。
そうやって歩き出した。
一歩が踏み出せなかったことに対し、
一歩を踏み出した。
確実に流れる時間の中で
私が一歩踏み出した先は全てが変わっていた。
何処へ行こうか。
一歩踏み出した此の地はどうやらあまり心地良く居られない。
また一歩進まねば。
並行にも後退にもならぬよう
一歩を踏み出す方向を決めるのだ。
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