汗を作る汗腺は、分泌部と汗管部からできています。
●良い汗
汗は血液を原料として汗腺の一部である「分泌部」で作られます。
分泌部で作られた「汗の元」は、ナトリウムイオンなどのミネラル分をたっぷり含んでおり、
そのまま体外に分泌されると、体内のミネラル分が失われてしまうため、
汗腺の器官の一部である汗管を通る際にミネラル分が再吸収されます。
ミネラル分が再吸収されることにより希釈された汗はサラサラの液体なので、
皮膚から気化しやすい状態です。
これが良い汗です。
●悪い汗・ムダな汗
汗管でミネラル分の再吸収がうまく行われないと、
汗は濃度が高くベタベタとした「悪い汗」になります。
ベタベタの汗は気化しづらく、運動などで上昇した体温をうまく下げることができません。
すると脳は体温を下げるため、更に汗を出すよう指令を出します。
多量に出た汗は、皮膚表面に溜まっていたり、流れてしまったりするので
蒸発することで体温調整ができない「ムダな汗」となってしまいます。
なぜこのようなことが起こるのか。。。
汗腺は日頃から使われていないと休眠状態となります。
暖かくなり始めた時期にかく汗や、
冬場の暖かい日にかく汗がベトベトとしている理由はこのためなのです。
●悪い汗・ムダな汗が引き起こす悪事
暑い時にかく汗はもちろん体温調整を行うための汗なのですが、
悪い汗をかくと体温調整がうまくいかないばかりか、
体内のミネラル分、水分を不足させます。
このことにより「脱水症状」、「熱中症」を引き起こす可能性があります。
ミネラル分が多い汗は皮膚表面で細菌の繁殖が活発となるため、
「ニオイの原因」にもなります。
また多量にかいた「ムダな汗」は皮膚表面の皮脂膜を洗い流してしまい、
角質層から水分が抜けやすくなるため「乾燥肌」や「肌荒れ」の原因となります。