ブレスレットのサンプル作りに費やした一日 | ザ・ストーンズ・バザール

ブレスレットのサンプル作りに費やした一日

0912
アメシスト・クラスターから作った丸玉。いろいろなことを考えると感心していたが、知人から「これは笑口の丸玉」とよぶと教わった。


今日は重陽の節句と思ったのは、カレンダーを見ると3日も前の出来事。
 
数字の奇数はどこか角張った感じがして陰陽に分けるなら、「陰」の感じがするのだが、古代中国では奇数は「陽」ともくされていた。奇数のなかでもっとも大きな数字「9」は陽の極大で、これが重なる9月9日は一年のうちでもっとも縁起のいい日となる。

(ジービーズの九眼が「最強のジー」とよばれるのも同じ理由による)。
 
明治だか大正時代の西洋かぶれした学識者たちが、陰暦でこそ意味のある24節気をそのまま太陽暦に移したので、旧暦9月9日の菊の節句は菊の花のない季節に祝うことになってしまった。

(ついでにはテレビの天気予報ではいつも1ヶ月ほど早い節気を宣伝していて、夏の盛りに立秋といってみたり、冬のさなかに啓蟄を告げるなど的はずれとなっている)。
 
昨日も今日も上天気で、ルーフバルコニーに出ると秋の陽射の軟らかさに、イソギンチャクが触手を開くように腕の細胞ひとつひとつが開く感じがして、うっとりとしてしまう。なんと美しい光と風! と感じいる。
 
石だけではない。風も木々も陽射も、ぼくらはとても美しい星に暮らしている。そういうことを石たちから学ぶのは、地球こそが偉大な教師であるということなんだろう。
 
昨日は一日をブレスレットのサンプル作りに費やした。秋のセールカタログ用のブレスは全部新作にしようと思い立ったのが運の尽きというか、間際になってジタバタするのは毎度のことで、泥縄式(つまりは泥棒を捕らえてから縄をなう)じゃないと、なかなかブレスの制作に手がまわらない。
 
アパートの部屋にところ狭しとビーズを入れたストックボックスを並べると、気分はもうアリババと40人の盗賊。宝の山を検分して、まずは在庫の量を目分量で確認する。それから石たちのご機嫌をうかがいながらビーズを選ぶ。今度のブレスは「キララ・シリーズ」にしようなんてアイデアもわいてくる。
 
システマチックに作っていくだけだから、それほど大変な仕事ではないのだが、ひとつのデザインにサンプルを2本づつ、計40本あまりを一気に作ると、鉱物原石をわき目も振らずに片付けるのと同じほど疲れてしまう。
 
あとは値段を計算して、ショップへ行って撮影して、というようにカタログ作りは進んでいく。みんなが気に入ってくれてたくさん売れればいいと願っている。


笑っているのは当然布袋和尚で、ネパールでは「ラフィング・ブッダ(笑う仏)とよばれている。中国では道教と仏教が習合した結果、布袋和尚は弥勒菩薩の生まれ変わりという。ちょっとした困難や不幸を笑い飛ばしてしまえるほどに、縁起がいい。