アメリカ化?イスラム国とTPP
2014年10月23日の朝日新聞の「耕論」は「イスラム国」についてのもので、下段の「私の視点」は「TPP」に関するものだが、偶然底流に「アメリカ化」というテーマがある。
「イスラム国」については保坂修司氏(日本エネルギー経済研究所)が「本来のイスラム教は自殺を禁じ、無実の人を殺害することを認めていないにも関わらず暴力的な価値観が幅をきかせているのは、中東などイスラム教徒が多く暮らす地域で、多くの若者たちが疎外され、希望を失い、怒りや不満をたぎらせていることの表れ」
ポール・ロジャース氏(英ブラッドフォード大学)は「2001年の同時多発テロを米国が戦争とみなし、裁判なしの拘束や拷問を行った結果、中東世界には苦い感情が残っている。西洋文明を脅かすような脅威とみなされることをイスラム国はむしろ歓迎する」
中田考氏(イスラム法学者)は「イスラム教徒ならば国籍や民族で差別されることはないイスラムの下の平等がコーランの教えの核心。富の格差を認めず、近代にできた国境にも縛られない。そうした理想を実現できる場所と期待すればこそ、世界中からイスラム教徒が集まる」
これはアメリカ化に対する反発というより、資本主義に対する反発あるいは抵抗なのだろう。そこには資本主義の犠牲者像が見える。
TPPについてはラルフ・ネーダー氏と田坂興亜氏(日本消費者連盟)が共同で意見を述べている。
「TPPに最も大きな影響力を持っているのは、アメリカの民間部門で、貿易アドバイザーとして公式な立場にある約500人のうちほとんどは、企業の利害を代弁する人たち」
「アメリカは京都議定書や生物多様性条約を批准していない。審議中のTPPの環境に関する条項には、そんなアメリカが国際社会で推奨される規制を回避し続けるためにTPPをあらゆる場で利用できるという内容が見られる」
「TPPの投資に関する条項でも、投資家対国家間の紛争解決条項(ISDS条項)が盛り込まれていて、その国の政府に賠償を要求する訴えを法廷外の審判所におこすことができる制度である」(国家主権を侵害する可能性が高い)
さらにTPPによって医薬品特許の範囲が拡張され、独占と高価格化を招く。国内の安全基準に合致しない食品の輸入を強要される場合があり、これは遺伝子組み換えを想定したもの。
財産保護にも規制をかけようとしているし、ハリウッドの主張を取り入れ著作権利用の厳格化によりインターネットへのアクセスの抑制もある。
二人は「消費者保護および公共の利益に対する深刻な脅威」と判断している。
以上のことはアメリカ化というより、ワイルドな資本主義の跋扈とみなすことができるが、それを強力に推し進めているのはアメリカである。
マルクスが「予言」したように最後は「ひとつ」の企業のみが残るのか?それをアメリカと呼ぶようになるのだろうか…