2013年度
高等学校演劇中央発表会
2013年11月9日から10日
東京芸術劇場
Bブロック
シアターイースト会場
講評
審査員
大森美紀子(俳優:演劇集団キャラメルボックス)
杉山至(舞台美術:青年団)
徳永京子(演劇ジャーナリスト、東京芸術劇場企画委員)
わこうようすけ先生
宇田川豪大先生
工学院大学附属高校
『正しいスキのつたえかた』(齋藤卓己顧問作)
意外性も必要だが思うとおりのタイトルでよかった。やや歌が多すぎか。
フェンス、イスを動かし教室や屋上や道を表現しうまい。フェンスにあてる照明効果でネタになる。ミラーボールを床に置き顔アテにするアイデア面白い。衣装は天使がピンク、他が赤と黒でよかった。BGMが多すぎ、一番伝えたいものが歌に特化しすぎ。カラオケショーっぽい。クイーンやドリカムなど古いものがあり楽しめた。
プロを凌駕するものに出会えた。友情大切等のクリシェのオンパレード、それによりキャラクター設定が省略できうまく使われていた。クリシェの光を感じた。ただ定型の先に恋愛や友情のリアリティーが不足していた。
ベタの嘘泣きなどは使ってもいいが、「頭をかく―考える」などの記号的な芝居を排したらいいと思う。記号的なものは客に伝わらない。繰り返しの面白さがある。モモカは長所が分かっている。指が震えるなど、一年生が客に負けた心地悪さが伝わった。歌が無駄に上手。
講評で違うことを言われても誇りを持て。台本が好きで、現場の信頼関係が分かる。切なく、明るく、嬉しくなった。「つなぎの女でいいから」のとりあえずがいい。
都立富士高校
『たたかいの歌』(吉田菜々部員作)
二人芝居に驚く。オリジナル曲、セリフの切り替え、小道具、セット、色のバランス、廃墟のイメージ、配置等よかった。ギターなのにピアノの音、など思いがけないこと多くよかった。
革命という難しいテーマが題材。曲がよく、特に「たたかいの歌が歌えない」は名曲。ゴミやガラクタから発見し新しいものをつくるのがいい。秘密の仕込みに無駄がなく何かあると期待させる。花火の音が曇ってた。照明に工夫ほしい。
頸をしめるシーンが印象的。無駄と思わず残したことがよかった。私たちに感じられる革命、手の届く革命がよかった。オープニングが(音楽の)指揮から始まり客の集中力を高めよかった。「ロボット嫌いではすまされない」いいセリフ。革命の規模を演劇で出すのは難しい。もうちょっと踏み込んでもらいたい。
スナオと姉、仲直りでいいのか?それをどう見せるか。
大好きです。
京華学園
『SAKHALIN(サハリン)』(伊藤弘成顧問作)
高校生とは思えない熱量に圧倒された。新劇のよう。戦争は未体験で難しく、さらに実話。だが責任をこなしている。外の勉強量、努力を感じる。セリフが各自自分の言葉になっていた。一人、集団、二人、三人とセリフの人数変化であきさせない。すごい努力だと思う。生きるということがキーワードになっていた。女子は声が嗄れやすいので声の出し方を研究してほしい。
力作。昨年も見ていて(昨年は『ブンナよ…』私注)実力ある。登場人物が同年代で引き込まれた。題材は国際裁判ものに匹敵する。モチーフは(電話交換という…私注)情報だが、話しのコントロールができ謎が出てこない。セット、ヨゴシ、板の割れ目、トーン、布など良く、またよく統率されていて稽古場のすごさを思う。下手のスロープ台は途中使わないので死んでしまい、芝居が上手に偏ってしまう。エリア芝居を意識するべき。
今の演劇界は身の回りのテーマに集中している中で、重みのある作品で勇気がある。この勇気を持ち続けて欲しい。交換手は軍と民間の中間その中間地点の視点がよかった。
泣きました。場転コロスがよく、コロスに目がいくので引き算を考えてもいいかと。
戦争の記憶は体験者が減っているので伝えなきゃいけない意義がある。覚悟が必要。言葉や歴史を理解している。