都高校演劇コンクール地区発表会 京華学園『SAKHALIN(サハリン)』 | leraのブログ

leraのブログ

自らの文章のアーカイブと考えている

都高校演劇コンクール地区発表会 京華学園『SAKHALIN(サハリン)』


 同会の中央地区Bブロック第1日目(9月23日)を観劇した。場所は都立総合芸術高校で、同校には舞台表現科があり、ホリゾント、照明、音響等の設備の整ったプレイハウスがある。

 講評は劇作家の篠原久美子氏と劇作家であり演出家でもある上野友之氏。

京華学園

『SAKHALIN(サハリン)』(作: 伊藤弘成顧問、演出:蟹口ののか部員)


 これは映画として『氷雪の門』があり、『樺太一九四五年夏 樺太終戦記録』(金子俊夫著)の関連本もある、樺太(サハリン)の電話交換業務をしていた女性たちの死を扱った実話の舞台化である。


 ポツダム宣言受諾後であるにもかかわらず、どうして死ななければならなかったのか、という慟哭すべきテーマがメイン。

 劇中に「なぜ守ってくれないのか!」というセリフがあった。

 実際に死んでいった女性たちとほぼ同年代の女性たちが演じていることで胸に迫るものがあった。


 アマチュア演劇を長年観てきてよかった、と思うのはこういう舞台に出会った時だ。


 講評も絶賛だったと言っていいだろう。小劇場なら十分できるとも言われていたし、演出が演劇部員だと聞いて講評者は驚いていた。


講評
 圧倒された。商業演劇のようなレベル。演出手数が多い。俳優の引き出し方がうまく高校レベルではない。役者が役を背負っていて、全員がそれができているから客がのめりこむ。いい座組みだ。チエコは恋人とのエピソードなど含め熱量はすごい。ミツはウケの芝居のため難しいが、ちゃんと成立し緊張感を保っていた。照明、場転、ケイコのたまもの。 
 新劇、新派のタイプだが、ひとつのタイプとしてたいへん優れている。この熱量と完成度でできる高校はない。全員がよく訓練されていて、演出はずば抜けている。演劇レベルが高い。プロローグのミツのセリフの対象が分らなかった。前半の無理な明るさは、戦争で明るくないはずなので、それをむりに作ろうとすると役者のベクトルがブレる。


私注
 講評者が「プロローグのミツのセリフの対象が分らなかった」とおっしゃったが、劇中で「花見」の話しが出た時に分るのではないか?
 また「前半の無理な明るさ」だが、後半の悲惨さをクローズアップするために為されたのではなく、樺太は太平洋戦争中戦地にならなかったので、本当に「平和」だったのだ。そして10代の少女たちの集まりである。本当に明るかったはずだ。


備考
 実はこの演劇の極私的感想を書き友人のみに公開し、一般評をアップしようと思って2本の原稿を準備していたら、一般評をアップするのを忘れていた。