2013年劇団ダダン新人公演『電脳プリンセス』 | leraのブログ

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2013年劇団ダダン新人公演『電脳プリンセス』


 小品ながら佳作という印象。

 仮想空間が身近にあるように錯覚させるのは、卑近な個人史を持つキャスト故か…あるいは有りえない初期設定に違和感を感じないのは本の持つ空気か…


 その個人史と目的(姫になる)とのギャップが大きくおもしろい。(再演しないとも限らないのでネタバレが書けないところが辛い。また、この芝居の場合ネタバレは致命傷である)そして、ひとりずつ消えてゆくサスペンス感!


 大臣が権力掌握者、あるいはテクノクラート特有の柔和さから(だから怪しかったのだが)、恐怖の対象に変わる意外性もおもしろいし、それを支える召使の無表情さもまたおもしろい。密室劇の要素もあり、小さなシカケがたくさんつまった舞台、そして期待感。


 舞美もシンプルながらシーンを作ることに成功していた。

 北原ミレイで踏み台昇降(しかもその踏み台の高さが絶妙!)のクスグリ、それにしても耐用年数と、そして戴冠式とは!


 新人公演らしい演目と言えば言えるかもしれないが、3日間だけの上演ではもったいない。また演出するのが楽しくなる本ではないかと思った。


 タイトルから『電脳』をとったほうがさらにいいだろう。壁絵の変化はやや俗っぽくなり不必要だったのでは…


2013.1.18-1.20 阿佐谷アルシェにて
脚本:たんすにごんぞう
演出:小林由佳
助演出:清水美江
出演:林沙羅、小林由佳、田村奏子、廣田侑奈、清水美江、俊山安奈