寸評「十二月大歌舞伎」2012.12.17
十二月の新橋演舞場夜の部は『籠釣瓶』と『奴道成寺』。
『籠釣瓶』は菊五郎が佐野を初役。ニンに合うのかというのが興味。播磨屋と違い、かなり早い段階で殺意を感じさせる。播磨屋の朴訥さと殺意のギャップと較べると、壮絶さがある。これもこれでいい。
菊之助も八つ橋初役。菊之助はとてもいい。重山に責められ、佐野のいる座敷に入る所の美しさは凄惨ささえ感じる。
松緑の治六は『御所五郎蔵』の時よかったので期待したが、やや甘さが出た。
他に團蔵の権八も初役、安定感あり。梅枝の九重は花道で花を添える。
『奴道成寺』はかなりストーリー性を感じる舞踊だが、長唄と常磐津の掛け合いも聞きどころで、常磐津の色っぽさが引き立つ。三津五郎の豪華な舞台。杵屋と常磐津の襲名口上、手拭撒きあり。