誤った死刑 | leraのブログ

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日本の法務省は「無罪(冤罪)でありながら死刑執行した」事件の調査をしていない。それは「そんなことはない」という前提にたっている。

 ところが1945年敗戦後に「誤った死刑」は3件あったことがわかっている。

 小松川事件、菊池事件(かつてはF事件と言っていたもの)、そして飯塚事件である。

 飯塚事件は小学校の女児二人が殺害された事件である。
 被告は否認を通し、最高裁で刑確定後も再審請求準備をしている中で2008年に死刑執行された。

 物的証拠は、DNA鑑定である。
 このDNA鑑定は、科警研でおこなったものについて、さらに地検が石山帝京大教授に鑑定依頼したものである。科警研の鑑定では犯人とされ、石山教授のミトコンドリアDNA鑑定では(被告のDNA)不検出となった。

 科警研の鑑定を根拠に死刑が決定したわけだが、このDNA鑑定が足利事件と同じ検査方法であり、さらに驚くことにDNA型が16-26型で同じである。
 この鑑定方法はスケールに問題があり、現在では完全に否定されている。
 さらに、科警研の方法は意図的で、スタンダードとサンプルを同時泳動していない。したのだが「出せない」ものだったと思われる。

 この執行には以下の問題がある。
・終始全面否認だったこと。
・法務省が再審準備をしていることを知っていたこと。
・(ある程度の)執行の順番を大幅に無視したこと。
・同じ鑑定法だった足利事件の再審開始が確実視されていた時期だったこと。
 意図的執行とは思えないだろうか?

 執行後、マスコミが森英介法相に「飯塚事件の内容を知っているか?」と質問したが、彼は答えられなかった。

 弁護団は2009年10月に再審請求した。

 足利事件はDNAの再鑑定が再審への道を開いた。
 飯塚事件はDNA鑑定法は足利事件と同じだか、ひとつ大きく違うところがある。
 石山教授が100回も200回も検査できる資料量(綿花)と言っていた資料を科警研が全量消費してしまって、再鑑定できないところにある。(この全量消費は北陵クリニック事件と同じである)

 死刑廃止論の中に「冤罪」があることは現実味があると思っている。