アケビの実が生っている。
時期が早いためではなく、この棚に毎年実るアケビは総じて小柄である。
アケビは木通、山女、通草、山姫など多くの表記法があるが、例句としては「通草」が一般的なよう。
山女はヤマメという渓流魚の表記として利用されている。
- 通草とはこんなに花の咲くものか 青葉三角草
- 黄檗の寺は明るし通草の実 森 慶一
- 一つ採りあとみな高き通草かな 嶋津香雪
- 通草蔓ひつぱつてみて仰ぎけり 深見けん二
- 八方に水の落ちゆく通草かな 大嶽青児
- 通草手に杣の子山の名を知らず 南部憲吉
- 通草熟れ消えんばかりに蔓細し 橋本鶏二
- なかなかに取れぬ話しの通草かな 仲 末子
- 山椒魚出でて通草の花ざかり 橋爪 巨籟
- 通草まで死鶏を降ろす金曜日 高岡 修
- 通草もぐふと晴天のでき心 今瀬剛一
- 山の村空気ぶらぶら通草ぶらぶら 奥山甲子男
- 山気降り通草に色を紡ぎ足す 加藤耕子
- 先端は空にをどりて通草咲く 林 翔
- 通草咲き風のこだまをこもらせる 小松崎爽青
- 口あきて通草は泣けり霧の中 殿村菟絲子 『旅雁』
- 行きあひてうづのあばたの通草もつ 森 澄雄
- 通草垂れ藤の棚にはあらざりし 富安風生
- 通草貰ひて楽しと思ひ憂しと思ふ 石田波郷
- 通草の実籠に盛られて果実店 鈴木洋子
- むらさきは霜がながれし通草かな 渡辺水巴
- 夕空の一角かつと通草熟れ 飯田龍太
- 薬草園雨に通草のころがりて 有森一雄
- 垣根より竹継ぎたされ通草熟る 斉藤葉子
- つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 芝不器男
- 林ゆく雨や通草がぬれしのみ 水原秋桜子
- 老僧に通草を貰ふ暇乞 正岡子規
- 通草咲く雄花雌花と二た色に 高橋悦男
- 先端は空にをどりて通草咲く 林 徹
- 藁屋根は農園民宿通草咲く 穂坂日出子
- 海鳴れり通草も黒き花を垂れ 相生垣瓜人
- 通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅
- 戦なき国かたまつて通草熟れ 菊地千恵子
- まだ山を曳きずつてゐる通草かな 直江裕子
- 大口を開けて見上ぐる通草かな 成田久郎
- 置けばそのまま絵になつてゐる通草 三ヶ尻とし子
- 割腹の通草ためらひなかりけり 大橋はじめ
- むゝと口閉ぢし通草が籠出づる 綾部仁喜
- 好きなこに通草の秘密教えます 松田ひろむ
- 通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅
- 林ゆく雨や通草がぬれしのみ 水原秋櫻子
- 通草もぐ霧の匂と思ひつつ 渡邊千枝子
- 山の子は藪騒親し通草採り 米澤吾亦紅
- 通草貰ひて楽しと思ひ憂しと思ふ 石田 波郷
- おほかたは淵に落すや通草採 藤原 如水
- 口あけて通草は泣けり霧の中 殿村莵絲子
- 通草みな採れざる高さ鷽のこゑ 沢 聰
- いつ取ろか取ろかと通草の下通る 白岩 三郎
- 野の宮に月待つ通草さゝげあり 奥田とみ子
- 通草引くひとりが塞ぐ峠みち 小澤満佐子
- 通草蔓引けば野猿が顔を出す 藤野 力
- 通草の実登り窯より出づるらむ 中村 哲三
- 通草熟れ古代紫日のかげり 佐藤郁子
- 通草採野猿に頭上越されけり 門 みのる
- 通草吸ふ水守る森に抱かれて 本谷 英基
- びつしりと通草はじけてひとりなり 仙田洋子 橋のあなたに
- もらひ来し通草のむらさき雨となる 横山由
- 採りたての通草を縁にぢかに置く 辻田克巳
- 滝へ行く山水迅き通草かな 山口冬男
- 夕空の一角かつと通草熟れ 飯田龍太
- 米櫃に熟れし通草をもてなさる 滝沢伊代次
- 垣通草盗られて僧の悲しめる 高野素十
- むらさきは霜がながれし通草かな 渡辺水巴
- 主人より烏が知れる通草かな 前田普羅
- 烏飛んでそこに通草のありにけり 高浜虚子
- つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 芝不器男
- 細きみち人に遇はざり咲く通草 及川貞
- バスを待ちくたびれてをり花通草 飴山実
- うすうすとかはたれ色の花通草 文挟夫佐恵
- 垣ひそと通草の花の曇りかな 大森桐明
- 通草咲きかなしき噴火ものがたり 勝又一透
- 雲深し通草の花の雨ためて 安藤甦浪
- 海鳴れり通草も黒き花を垂れ 相生垣瓜人
- 通草の花訛れる声音ききとれず 原田種茅
- 負ふた子や通草の花に手をのべる 松瀬青々
- つゆじもに冷えてはぬるむ通草かな 不器男
- 真つ黒な牛の顔ある通草かな 岸本尚毅 鶏頭
- 蔓ひけば通草うごきぬ墓どころ 岩田由美
- 垣ひそと通草の花の曇りかな 大森桐明
- 通草摘むなにか降りつぐ其処彼処 永井東門居
- 天に蔓通草の花の溢れだす 西村我尼吾
- ぬれ髪のまま寝てゆめの通草かな 赤尾兜子
- 通草の実割れ乳色の受験生 対馬康子 吾亦紅
- 手の届くそこに通草があつたのに 櫂未知子 貴族
- 夕さりのすずなり通草青かりき 中田剛 珠樹
- 烈日やふりむくたびに通草の実 中田剛 珠樹
ここのアケビは、私が古里の美作の山道や、箕面の瀧道などで出会うアケビとは違う。
このトンネル状の棚道には、トケイソウやブドウなども絡みついている。
アケビの漢字表記が様々なうに、日本における呼び名もさまざま。
アケビカズラ、アケビヅル、アクビ、アクミ、アケツビ、イシアケビ、キノメなど。ツビは女性の外性器のことである。別名のヤマヒメ(山姫)やサンジョ(山女)は、いずれも「開け実」の形容を表したものだろうといわれている。中国植物名は、木通(もくつう)。
キミガヨラン(リュウゼツラン科) ユッカともよばれる。
ウィキペディアの解説:
通称 Spanish Dagger, Moundlily Yucca, Soft-tipped Yucca, Spanish Bayonet、Sea Islands Yucca。高さ0.5-2.5m、葉は固く幅2-3.5cm長さ50-70cmで先端は尖っている。花茎は1-2m[16]、バリアー島の砂丘で生育する、皮膚の炎症を起こすことがある。日本へは明治時代に渡来、庭園樹・庭木として利用されている。日本での開花時期は5-6月または10月頃であるが、受粉を媒介するユッカ蛾がいないため自然には結実しないといわれている。和名のキミガヨランは学名のgloriosa(栄光ある)から「君が代」へ関連付けたものである
- 龍舌蘭咲きて大きな旱来ぬ 多佳子
- 龍舌蘭のすくすく聳てば島の夏 篠原鳳作
- 咲き満ちて雨に傾く花ユッカ 武田光子
- 海かけて雲影荒し花ユッカ 千代田葛彦
- 竜神を祀る注連張り花ユッカ 宮下翠舟
- ユッカ高し背高き乙女より高し 赤城さかえ
- 一樹なき山なみを背にユッカ咲く 井上千秋
- ユッカ咲き羅馬に向ける殉教碑 野見山朱鳥
- ユッカ咲く取り替えられれば心臓 二村典子
- 高潮に黒船祭ユッカ咲く 石原舟月
- 雨あしの広場にしぶきユッカ咲く 飯田蛇笏
- ユッカ咲く庭芝広く刈られけり 西島麦南
- 海かけて雲影荒し花ユッカ 千代田葛彦
- ユッカ咲き羅馬に向ける殉教碑 野見山朱鳥
- 貝掘がしたたり過ぎぬ花ユッカ 石田波郷
今日は月の第4火曜日。駅前のビルの4階で開催の句会に参加
大雨。
冷し中華は日本発祥雨激し
姥目樫の家並の崩れ走り梅雨
青柿落ち市境の都市鉱山
梅雨兆すガーリックバターをよろしくと 当日席題「よろしく」
瓦屋根と雨戸の庭の鯉幟
母の日の母の寝言の感嘆符
句会場の窓から見た風景 ビルの4階は風抜き用のオープンスペース(広場)になっている。
雨が川となっている。
遠くに見えるクレーンは、庄下川沿いのマンション建設現場と思う。
そのまた南には阪神尼崎あたりの高層ビルが見えるはずが、今日は見えない。
ビル4階のエレベーターホール
駅前ビルの3階は、隣接の1番ビルの2階と同一水準。2階にあるイオンスタイルの
特売コーナーと園芸・花卉コーナー
紫陽花は1鉢1200円強。
小玉西瓜も出ている。柑橘類も林檎も、私の期待値の倍額。