自分の足で手術室へ向かう途中から
騒然とした様子を肌で感じてだんだん緊張してきました。
手術室へ入ると、本当にドラマで観るような光景の部屋でした。
部屋の真ん中にはベッドが。
いよいよ実感が沸いてきてしまいました。
F先生はまだ見当たりません。
金曜日に麻酔科の先生が訪問してくれた時の説明で
全身麻酔をかける前に
背中から管を入れる‘硬膜外麻酔’の処置をすると伝えられていたのですが、早速その処置が始まりました。
そこで今日の担当の麻酔科の先生が
「金曜日に伺った麻酔科医とは違いますが、内容は引き継いで聞いています。
大丈夫ですよ。
よろしくお願いします。」
と挨拶して下さいました。
私もあまり気にせずそのまま硬膜外麻酔の処置を受けました。
横を向いて、体をぎゅっと丸めて背骨の辺りから細い麻酔の管を背中に入れます。
麻酔の注射が最初痛くて
その後は背中に何かが入っていく、鈍い感触があり、大体ここまでで20分くらいだったでしょうか。
入れ終わると、仰向けになって
いよいよ全身麻酔です。
ふと横を見ると、いつの間にか手術着のF先生が立っていました。
もう緊張のピークで
その後F先生と一言二言会話したのですが、全然覚えていません
ただ、最後に私が
「お願いします。」
と言ったときに、凄く力強い目で優しく頷いて下さったのだけはハッキリ覚えています。
そして全身麻酔の流れ…
だったのですが!
最終的にこれからの手術の確認をはかる為
麻酔科の先生が手術内容を読み上げました。
『ではこれから、kiyoka さんの‘胃全摘手術’をはじめます。』
今何て言った~~?!(゜ロ゜;
私明らかに動揺!
(ToT)
F先生が
「あっ、最初は局所切除でいきますよ?」
とか言い直したけどっ
全っ然!軽い!
というか、私には
『あっ、ばれちゃった?』
みたいにしか聞こえないっ!
やっぱり最初から胃全摘だったんだー
と軽くパニックになりました。
先生達は何事も無かったように酸素マスクをかけてきて。
私はもう、まな板の鯉状態。
本格的に覚悟を決めなくちゃいけないんだ。と思うと
ポロポロ涙が零れてきました。
看護婦さんが優しく手を握ってくれて
ティッシュで涙を拭いてくださいました
麻酔科の先生が
「だんだん眠くなると思いますから、名前を呼ばれて返事が出来るまで返事をしていてくださいね」
と言うので
私は、ショックも覚めやらずな勢いで
『くっそ~~(失礼!)
絶対寝るもんか!』
とかなりしぶとく返事をし続けました。
最後は
心の中で
『みーちゃん』
と娘の名前を呼びました。