Site Recovery Managerの注意点③ | IAサーバーの仮想化メモ

Site Recovery Managerの注意点③


Site Recovery Managerの注意点①ストレージ製品の選定
Site Recovery Managerの注意点②SRMを構成するコンポーネント

もはや注意点でも何でもなく、単なる構成上の要件のまとめに成り下がりつつありますが、今回はネットワークの要件をまとめます。

■SRM関連コンポーネント間の通信とポートの要件

個人的に最も分かりやすいと感じたのは、以下のブログのエントリーですね。
SRM環境の各コンポーネント同士の接続と、通信で使うポートが図示されています。
図を見るとよく分かるのですが、保護サイトと復旧サイトのSRM Server同士では通信を行なっていません。vCenter Server同士についても同様です。

SRM and VR Ports Diagrams | Proudest Monkey

公式情報となると、以下のKBが出ています。

VMware KB: Port numbers that must be open for Site Recovery Manager, vSphere Replication, and vCenter Server

■vSphere Replication使用時のネットワーク帯域

vSphere Replicationは、仮想マシンに発生したブロック変更差分を復旧サイトに送信します。保護サイトと復旧サイトはWANで接続されるケースが多いため、それほど大きな帯域を確保することは難しいと思います。

vSphere Replicationで仮想マシンのレプリケーションに使われるネットワーク帯域については、以下のKBで解説されています。

VMware KB: Calculating Bandwidth Requirements for vSphere Replication


ネットワーク帯域を算出するにあたって、以下の項目を考慮する必要があるようです。

①保護対象VM群のデータサイズの合計値
②1日で発生する変更差分率
③vSphere Replicationで設定するRPO
④WAN帯域

上記のKBでは、以下のような算出例が書かれています。

①=1TB ②=10% ③=1時間
とすると、1TB×10%=100GBのデータが1日で転送されます。
RPOが1時間なので、1日に24回転送されることになり、1回あたり100GB/24≒4GB程度のデータがWANを流れることになります。
4GBのデータをRPOの1時間以内に流すとなると、約9MbpsのWAN帯域が必要になります。
(4096MB×8÷3600≒9.1Mbps)
実際はオーバーヘッドが少し発生するので、10Mbpsの帯域は必要になるでしょう。
したがって、④の値が10Mbpsを超えていれば、机上ではOKということになります。

次回は少し注意点らしく、SRMを使用する際の機能上の制限事項についてまとめます。