NHK【よるドラ】『きれいのくに』第7回の録画視聴を終わりました。
最終回を前にして、何とも切ない感じになってきましたねー。
キュンキュンと言うよりハラハラすると言った方が良い展開でした。
※ここからネタバレ含みます※
高校生パートになってから常に動きを見せていたのは凛とれいらの女の子2人でしたが、ようやく男の子たちが踏み出します
しかも先陣を切ったのは貴志。
学校の屋上に誠也と中山を呼び出し、れいらのことが好きだ!と宣言します。
いやまぁ、視聴者は気付いてはいたけれどね
まさか一番仲良しグループを見守るポジションのように見えていた彼からとは思わなかったです。
そして2人に空気を読んでほしい(協力してほしい)と頼みます。
れいらは彼氏と別れたばかりで
「早く告白しないと彼氏できちゃう」
のはそうなんだけど、脈なさそうね…。(^^;
確かにれいらは以前から貴志をよく自分の部屋に上げてはいますが、
「呼んだら来て」
にすべてが集約されている気がします…。
久しぶりに5人揃ってカラオケ店に集まった時に、中山は意を決してれいらに無視されている理由を尋ねます。パパ活でのことを打ち明けられ動揺する中山でしたが、れいらの苦しみを感じ取り
「一旦、しゃべらないように」
大丈夫になるまで無視しても構わないと言うのです。
一瞬「なんて心の広い!」と思ってしまいますが、遺伝子操作でトレンド顔として生きてきた中山が自分と世の中に折り合いをつけるために得た術でもあると考えると悲しくなります。
れいらも一度悪いと言いますが、無意識にやっていたのも同じように中山を傷つけていると悟り、彼の提案を受け入れるのです。
帰り道、さりげなく貴志と2人で帰るよう促す中山。ここで貴志が屋上で空気を読んでほしいと頼んだことが効いて、自然の流れのように見えるのがまた悲しく切ない。
このカラオケ店からの帰り道のシーン。橋を渡り終えて誠也と凛、中山・れいら・貴志で二手に別れるのですが、それぞれの結末への不安はもちろん、この5人の関係性が確実に変わってしまうことを象徴するようで胸が締め付けられました。私はとても好きなシーンです。
誠也は母親から見知らぬ男性と凛が会っているのを目撃したと聞かされ動揺。登校時に凛にいつもの調子で探りを入れると、あっさりパパ活をしていることを認められて更に動揺
踏み込んでおきながらなかなか核心をつけずにいるのがやっぱり誠也だなぁ。
カラオケ店では思い切ってパパ活をやめてほしいと頼みます。貴志が熱唱している時なのに。いや、だからか。
家が隣同士で気軽に話せる相手だったのに、近頃の凛は自分に言えないことがあるらしく、それが引っかかっていたのでしょうね。
「かなり仲良くなりたい」
と誠也にしては頑張って言いますが、もっとハッキリ言わないと届かないんだよ女の子って。
それでも凛が自分にとって特別であることに気付いたのは、誠也にとっては大きな一歩でしょう
凛の言えないこと。それはプレーン顔の人々が集まるバー〈きれいのくに〉で出会った女優・安藤(20代の恵理役)から裏整形(プチ整形)に誘われたこと。
しかし、お金や施術してくれる場所も教えてもらったのに迷いは消えません。そこで以前から啓発映画に出演していた人ではと気になっていた、映画館で働く女優・小野田(40代の恵理役)に声をかけます。
整形すれば大作に出られるのに、なぜトレンド顔にしなかったのか問う凛に小野田は
「みんなが好きは私の好きではない」
「誰かの好きで良い」
とキッパリ。その言葉は凛を強く揺さぶるものです。しかし、直後に小野田がシフトを勝手に変えたことをトレンド顔の女性上司に叱責される場面も目撃します。(客の前で叱責するのはどうかと思うし言ってもダメなのかも知れないけれど、シフト変更は上司に言っておかないといけないよ)
ここの小野田や他のプレーン顔の役者が出ている映画=小さなものには人が入らないが、トレンド顔の役者が出ているのは大作で多くの人が安心して観るものだという描写。もしかして、現実社会での商業映画とミニシアター系を表していたりするのかしら…
プレーン顔の人々が願う世界と現実との差を垣間見た凛の心は裏整形へと傾きます。頑張って告白(みたいなもの)をした誠也の言葉も信じきれずに病院へ。信じきれないのは、11才のあの日に誠也とれいらが教室でキスしているのを見てしまったから。(第4回から出てくるシーン)
(凛の)好きな人(誠也)の
好きな(れいらの)顔になりたい
誠也に選ばれなかったと思い込んでいる凛にとって、分かりやすくみんなに好かれているれいらのような顔に近づくことは大きな意味を持っているのでしょう。これはやはり誠也がちゃんと思いを口にしないといけませんね٩( ᐛ )وガンバレ
今回良い味を出していたのが、貴志とれいらが遊びに行ったショッピングモールで警察官の千葉に引きずられて殴られるトレンド顔(稲垣吾郎さん)の酔っ払い。ダメダメな感じなのになぜかジッと見てしまいました。
また、小野田を演じる吉田羊さんがクールだけど哀愁ある表情をされていたところにも引き込まれました。
それにしても、千葉も小野田も鬱屈した思いを相当抱えているようです。犯罪者が同じ顔ばかりだったら警察は困るし、顔がトレンドじゃないから出演させないって演技とは?という話しですよね。ニュース討論でプレーン顔の人が辛いと訴える人がいるんだと言っても、対するトレンド顔の社会学者にそんな事実はないと一蹴されたり、少数派の彼らにとってみれば「どうすればいいのか」という思いを常に抱えていて、それだけで息苦しい世界ですよね。
規定された〈きれい〉に翻弄される大人たち
好きな人への想いに振り回される高校生たち
この二つがどんな風な着地を見せるのか見せないのか。
でもまだ何か隠しているものがありそうな。
そんなドラマ。
最終回をドキドキハラハラしながら観たいと思います。
きれいのくに第6回感想はこちら
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