久しぶりに通る道
懐かしい匂いがして
ちょっと立ち止まってみたんだ
あれ?
今年はちょっと咲くのが遅いんじゃないの?
半ば独り言のように
黄色いちっちゃな花たちに話しかけてみた
あ。
もしかしたら君たちが咲くのが遅いんじゃなくて、僕が君たちが咲く道を歩いていなかっただけなのか、と
ちょっとした寂しさが胸に染み渡りました
この時期は何を着れば良いか分からないや。と
君はコートを手にしながら迷っていたっけ
着ていけばいいじゃない。とアドバイスした僕に
動いていれば暖かいんだよ!と
小学校の先生みたいな言い方したよな
結局、外に出て寒い寒い…言ってる君は
もう僕のそばにはいないんだなーって
黄色いちっちゃなお前たちを見ると思ってしまうんだよ
お前はバカな奴だった
僕は、そんなお前よりバカな奴だった
わかるか?
黄色いちっちゃなお前たちよ。
この虚しさは、雨に打たれて地面に落ちるお前たちの心情とほとんど一緒なんだよ
僕は、一体いつまでキンモクセイに話しかけているのだろう…
もう帰るよ。
またな。