73冊目。

虚像の砦 真山仁 講談社文庫

インターネットヘメディアの主役交代の流れの中で、瀕死状態のテレビ局。
それ以前に放送局がその存在意義を問われたいくつかの実在の事件をモチーフに、その実像をえぐる作品。
現実の事件・団体・人物を容易に想像させる名称を計算高く使いながら、現実と空想の境目をあいまいにしていく著者のいつもの手法。単純に次のページをめくることへのプリミティブな欲求にあがなえなくなる。

ジョン・アービング「ガープの世界」の有名な一節を思い出す。
「どうして本を読むの?」
「だって次のページが気になるじゃない」

ジャーナリズムの文脈で、氏のメディアに向ける視線が優しいのが印象的。


虚像の砦 (講談社文庫 ま 54-5)/真山 仁

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