ここしばらく、自分の病気のことは書かんかったけど順調です。新しい治療薬が功を奏し腫瘍マーカーは4.5~7.5を行ったり来たり、CT検査に至っては2年前に最大7cmまで膨れ上がってた膵臓はほぼ原形とのこと。実を言うと先月、先生から「次回から1回の薬の量を増やして3週間に1回の治療を6週間に1回に変えましょう。その後は経過がより良ければ、いつ治療を止めるか...」と言う話になりました。ところが近頃どうもお腹の調子がよくない。年齢も年齢ですから18や20の頃と同じように食ってるからや、食いすぎやと思ってたんですが、このキイトルーダと言う薬は大腸炎を併発する可能性もあるとのこと。それは治療を始めてすぐの人もいれば、1年以上たってから出てくる人もいる。なにせこの薬に合う人がほんの一握り。膵臓癌患者の1~2%ですから症例が非常に少ない、データがない。治療の一歩前進はお預け、整腸剤を貰って様子を見ることになりました。まあまあ一足飛びには行きません。けど保険の有効期間もあと一年半やし、そっちも心配。生かして貰ってるんやから贅沢言われへん。
と、そんな近況ではございますが先月は添乗で北海道に行って来てリフレッシュ!と言いたいところですがクタクタになって帰ってまいりました。年は取りたくないもの。だからよく睡眠をとって、暴飲暴食は控えないと体が悲鳴どころか絶叫しとる。
で、先週観に行った作品が「65シックスティファイブ」。65と言うのは6500年前を指しています。6500年前と言えば、この地球で巨大な恐竜たちが我が物顔で地上を闊歩していた時代。「こりゃまたタイムスリップもんかいな」と思いきや。今から6500年前は地球とは別の惑星で今より高度な文明が発達していたと言う設定。「ほな主人公はエイリアンやないか」と言うことになりますが主演はアダムドライバー。〝スターウォーズ〟のカイロレンやね。宇宙探査に出かけた彼が未知の惑星に不時着します。見たこともない巨大生物が次から次に襲いかかってくる。恐竜です。ここは6500年前の地球〝EARTH〟。しかも恐竜たちが絶滅した原因とされる「巨大隕石の衝突」が目前。シュチエーションとしてはおもしろい。
今から6500万年前。広大な宇宙の中の一つの惑星に現代の地球よりも進歩した文明があった。その惑星の住人ミルズは妻と病弱の娘を残し、2年に及ぶ宇宙探査に旅立つ。途中、娘が亡くなると言う悲報を受けるが彼にはどうすることもできなかった。航行中、小惑星帯に遭遇。隕石との衝突で宇宙船は破損、とある惑星へ墜落する。どうやら助かったのはミルズだけ。宇宙船は大破、絶望したミルズは自らの命を絶とうとしたが、脱出用の船体が何処かへ飛ばされたことを知り一縷の望みをかけて探査装置を頼りに探しに出かけることに、その時、生命反応がある乗員がもう一名いることに気づく。ミルズが助け出したのはコアと言う10歳前後の少女だった。違う言語を使い言葉は伝わらない。だが二人は身振り手振りで意思を伝えながら切り離された脱出船を探す旅に出る。歩き始めると二人を見たこともない獰猛な生物が襲いかかる。この惑星は一体...。
そう、この惑星こそ現代の我々が住む6500年前の「地球」〝EARTH〟であった。次々と襲い掛かる恐竜、毒虫、至る所から噴き出す高熱の間欠泉、一歩足を踏み入れると飲みこまれてしまう底なし沼。まさに原始の文明のない地球である。そして空からは恐竜たちが絶滅した原因とされる巨大隕石の衝突が刻一刻と迫る。二人は脱出船までたどり着くことができるのか...。
まず、6500万年前に今の地球より優れた文明が存在していたと言う勝手な設定が好き。我々の目になってくれるわけやね。ミルズと少女コアの目を通して我々は恐竜たちが闊歩していた地球を見ることができるわけです。映画と言うのは何と我ままで面白いもんなんでしょう。好き勝手に都合のいいように設定しますからね。面白いわけです。
まあ観ているとどうしてもB級SF映画の域を出ることはできないと思うんですが、まあそれはそれとして感想としては結構面白い。原始の勉強にもなりますしね。6500万年前にでっかい流星か隕石かが地球に飛来して生物が息絶えると言うのは今後もあり得る話でね。そん時どうするかって言うのはえらい方々は考えてらっしゃるんでしょうなー。昔々、私が高校生くらいの時「メテオ」って映画がありました。小惑星が衝突すると言う話です。ショーンコネリー、ナタリーウッド、ヘンリーフォンダにカールマルデン、ブライアンキースとオールスターキャストです。こんな状態なのにまだアメリカとソ連で揉めてるんですなぁ。結局は世界中が協力して何をしたかと言うと北極だか、南極だかに逆に核ロケットを引っ付けて地球を「押しやる」ように地球の位置を変えてしまう訳です。アホの高校生でしたから、「ホー、こんなことができるんかい」と真剣に思ったもんです。余談ですが高校の時、当時野球の名門校だったN商高校が映画館を貸切で「メテオ」を鑑賞していました。我校は学校の視聴覚室で「あゝ野麦峠」。「この差は何や」と大いに嫉妬したもんです。「あゝ野麦峠」がアカンちゅうわけやないですよ。いい映画です。ただ待遇がね。金をもってる学校と持ってない学校。てなことを小僧は考えるわけです。まあこの作品を観ていろんなことを思い出しました。
