「…はじめはね、……興味本意と心の歪みからだった…。」
宮城は、まぶたを閉じて、口元から手をはずし、ゆっくりと…
まるで、心の闇を明かすかのように…話し始めた。
「私は、こんな毎日生きる事に飽き飽きしたの…。
そんな時…ね、
あるネットのサイトで、この鍵が無料配布されてたの。
〝この鍵を使えば、他の世界にいける〟…。
本当に、そうなんだと思った…。
この世界に逃げ込めば、きっと楽しい毎日が送れる…!
…そう思ってた。
…でも違った。
たしかに、鍵を使って行けるのはこことは違う世界…。
でも私が望んだ世界じゃなかった…。」
「…どういうことだ?」
宮城は、ふっ、と微笑む。
そして、鍵をみつめ、再び話しだした。
「その世界は、戦う世界だった。
本当に痛みを感じる、死なない世界。
死ねばここに戻ってくる。
危険だと思えばここに帰ればいい。
弱肉強食の世界。
それがその世界。」
俺は黙り込む。
戦う世界?
弱肉強食?
死なない世界?
その世界っていったい…
「…ラストゲーム。」
「?」
「興味があるなら、検索すればいいじゃない。
ラストゲーム。
その世界はゲーム。
ネットで検索かければ出るわよ。
それから、無料配布も、きっとまだしているはずだから。
詳しくはゲームをはじめれば全部分かるわ。」
そして宮城は、微笑み、ふっとつぶやいた。
「でも、死ぬ痛みを知りたくないのなら、やらないほうがいいのかもね。」
