僕の本棚 -2ページ目

僕の本棚

小説などを載せる予定。

朝。


目が覚める。


そしていそいそと仕度をして、


家を出る。


学校。


面白いことは…実際そうそうない。


本音を言えば、退屈な場所。


逆を言えば、暇をつぶすに良いところ。


いつもと変わらぬ毎日。


…いや、違う。


今日は違う。


なぜなら、鍵があるから。


もちろん、あの鍵。


宮城の鍵。


いや、もしかしたら宮城のものではないかもしれない。


俺はそれを確かめるべく、


休み時間、宮城のクラスに向かう。


早速、5組の女子を捕まえた。


「あっ、あの、宮城さんいますか?」


女子生徒は困った顔をしていた。


上履きには、「岸辺」と書いてある。


「あっ、えぇっと…


…あれ、ちょっと待ってて~」


軽々しいな。


まぁ、気にはしないが。


岸辺さんは、5組の女子と少し会話をしてから、こちらに向かってきた。


そして、岸辺さんは一言。


「宮城さん、今日休みですよ。」


岸辺さんはそれだけ言うと、どこかへ行ってしまった。


5組の担任、沢田に聞くと、


どうやら無断で休んだそうだ。


しかも家に電話すると、


「昨日から帰ってない」


と言われたそうだ。


「まぁ、思春期だし、誰でもある家出だろう。


お母さんも心配している様子だったが、


『大丈夫、すぐに見つかるから、とりあえず一晩待ちましょう。』


と言ったらすぐに落ち着いてくれたよ。」


と笑っていた。


本当にお前は担任か、と殴ってやりたくなったが、


それでなにか問題になっても困るし、


実際には心配もしているのかもしれないと、殴るのはやめておいた。


「え、櫻井、もしかして何か知ってるのか?」


そう沢田に問われるが、


もちろん俺が知るわけない、むしろ、こっちが知りたいぐらいだ。


と言うと、なんでだか知らないが沢田は、


「櫻井は宮城と付き合ってるのか?」


と言ってきた。


もちろん、誤解を招くと困るのは俺だ。


もちろん、きっと宮城も。


だから、んなわけないでしょう。と言っておいた。


俺は、


もしかしてこの鍵に何か関係しているのではないか。


そう思い、


放課後、昨日の教室に、俺は向かった。


誰もいない教室。


窓が一部だけ全開で、ふぅっと風が、開いたカーテンをなびかせる。


俺は、昨日のような状態にした。


教室の鍵をすべて閉め、


教室の真ん中辺りの席に鍵を置く。


作業が終えたら、その景色を教室の後ろから見る。


昨日と違うのは、教室内に俺がいること。


…何分経っただろう。


急に鍵の辺りが、激しく光りだす。


もちろん、鍵自体も同様に。


俺は眩しくて手をかざす。


あの光はこれだったのか…っ!!


そして、ようやく見えてきたもの。


それは―


―宮城の姿だった。


俺は驚き、声を出す。


「なっ…!!!宮城ッ!?」


宮城も同様に、俺がいたことに驚いていた。


「!!!櫻井!!!!…君…。」


俺はまた唖然とする。


しかし、そんな俺に対して宮城はむすっと怒った表情だった。


「…櫻井君だったんだ…」


少し低い、怒っているような声が教室に響く。


「は?」


俺はわけもわからず。


全部が全部にわけわからんと言える状況に面してわけもわからず、


口がそう動いた。


いや、これは言い訳に過ぎない…だろう。


宮城は、俺の言葉を聞いてか、また怒った表情になる。


もう表情がたくさんあるんだなどころではない。


本気で怒っているらしい。


「あんた…最悪なことしてくれたね。」


宮城が本気で怖い。


でも、俺が何をしたのかわけもわからず、


ただ俺はその場でおどおどしている。


…情けない。


「鍵。動かしたでしょう。


いや、もしかして持って帰った?」


「…あぁ…。」


「だからこれ以上模索するなって言ったのに…。


迷惑なのよ。


あなたみたいな行為する人がいるから鍵かけてるのに!!!」


俺はただ無言で立ち尽くしていた。


何がどうなっている。


実際まだ理解できていない。


しかし宮城は怒っている。


こんなにしゃべっているのは初めて見た。


「…私、困ってたのよ。


ほとんど人がいない、広い空間で。


仮想の空間で!!


どれだけ私が迷い迷ってたと思ってんの!!


あんたのせいで親にも迷惑かけるし、


学校では無断で休んだってことになるのよ!!


それが問題で、呼び出しくらってもおかしくない!!!


あんたほんと最悪!!!」


俺はやっと口を開く。


宮城の口からどんどん出てくる言葉に、


俺は疑問を持った。


「…仮想空間?」


宮城は、ハッとした表情になり、


しまった!と言うような表情で口を手で塞ぐ。


やっぱり、こんな宮城、見たことない。


「…なぁ、全部説明してくれよ。」


俺はダメって言われたとしても、


それでも、聞いてみたかった。


全部、全部、聞きたかった。