今回は毛利元就の三男で戦国の毛利王国を支えた小早川隆景の史跡を訪ねてみたいと思いまして三原市を初めて訪れます。ただあまり時間は無いので城を中心に市内の要所に絞って回ることにします。
三原駅に着きましたがタコのまち三原のポスターが溢れています。美味い瀬戸内のタコを食べて帰りたいですね。
新幹線が停まりますので駅の周りはきれいに整備されています。特に南側は広々としています。
これも有名なやっさ祭りの像です。このやっさ踊りは三原城の築城完成を祝って老若男女を問わず、三味線、太鼓、笛などを打ちならし、祝酒に酔って思い思いの歌を口ずさみながら踊り出たのがはじまりと言われています。
駅には小早川隆景の顔出しも建っています。毛利元就の三兄弟の中で最も頭角を現した武将ですね。毛利の両川と称賛されただけでなく秀吉にも気に入られ東の徳川、西の小早川と言われるほどの実力者でした。
駅の北口を出るとそこはもう三原城跡の史跡になっています。しかもいつの間にか天守台の上に上がっています。三原城の築城は1567年と言われますので昨年築城450年記念なんですね。
中国地方を統一し実力を蓄えてきた隆景は瀬戸内の水運掌握のためにこの三原に新たに城を築きました。1580年完成。
旧三原城跡の広場は隆景広場と命名されています。隆景の業績は言わずもがなですが中国地区以外ではまだまだ知名度はいま一つという気がします。毛利一族に大河ドラマなどのスポットが当たると良いと思います。
広場には隆景公の座像がありました。
さて天守台を見上げると非常に違和感のある眺めですね。JRのホームと天守台がほぼ隣に接近して建っています。後から作ったのはもちろんJRの線路です。
少し離れて天守台を見るとかつての本丸をJRの線路が突き抜けていることが分かります。本丸の中に線路を通すことになったのでしょう。
それにしてもなだらかな石垣の角度は強さよりも美しさを感じます。
天守台に登って見るとほとんどホームと同じ高さに天守台が接近していることが分かります。内堀は深さはそれほどないですが幅が結構ありますね。
天守台からの内堀の眺めです。内堀の幅が広いです。
そのほか駅の周りを散策してみると三原城の石垣があちこちに残っていることが分かります。東西900メートル、南北700メートルにも達する巨大な城の名残です。何と駅のホームの下の通路ですが石垣が完全に残っています。
また駅の真下にも石垣が露出しています。ほとんど城の中に駅を作って線路を通したという印象ですね。珍しいです。
さらに駅の北口を出て線路に沿って東に約500メートル進むと和久原川にぶつかりますが、ここには水刎と言われる城郭を保護するための補強の石垣が残されています。
次に線路の南側に抜けて道路を進んでいくと道路沿いに石垣が残されているのに出会います。ここは城の南東側になりますが海に通じる舟入櫓の跡になります。当時は海で小島に櫓を建てていたようです。
今は回りには公園や会社が立ち並んでいますがその中の石垣が残されています。城が駅の南側にも広がっていたことが伺えます。
近くで確認すると舟入櫓の岩礁跡が残っています。海の中の島に立っていた櫓です。
この舟入櫓に登ることができました。当時と今の地図がたいへん参考になります。それにしてもよく城の本丸の中に線路を通したものです。隆景もビックリするでしょう。
なかなか櫓の入り口が分からなかったのですがやっと見付けました。
舟入櫓に実際に登ってみました。先ほどの石垣の上ですが小さな公園になっています。
駅南側の国際ホテルではみはら歴史館がオープンしており毛利をはじめ隆景の経歴や史跡の紹介などを見ることができました。
毛利三兄弟の甲冑なども展示されています。
なんと国際ホテルの裏にも石垣が残っていました。ここは三原城の本丸中門があったと場所と言われています。ほぼ本丸の中に駅を作って周りが開発されていったためにところどころに石垣が残ったままなんですね。
だいぶ歩き回って陽も傾いてきました。三原も港町ですので港の方にも寄ってみます。三原港のフェリー乗り場です。
車を乗せたフェリーが行き来します。佐木島や因島に向けての航路があります。瀬戸内では昔も今も水運が市民の足になっていますね。
繁華街を歩いてみると街の中にはタコ料理のお店が多くありましたね。
駅の構内にはタコ神社ができています。この時期は受験の時期ですのでタコは縁起が良いそうなんですね。置くとパスできるということで絵馬を置く(オクトパス)で赤いタコは縁起が良いそうです
来月には三原で最大のお祭り「神明市」があるそうでだるま市などたくさんの催しがあるそうです。三原城のお祭りは11月に開催されるそうです。
駅弁にも三原浮城弁当なるのを見つけました。どんな弁当なんでしょうね、買ってみたかったです。
小早川隆景は私の好きな武将の3人に入ります。今回は念願の三島城を回れて隆景の史跡を目の当たりにできて感激でした。(33)