蘭子の官能日記 想定外の出来事
蘭子の官能日記 想定外の出来事
「どうして待っていたんですか??」
私は運転席の窓から顔を出したオッサンに言った。
時計を見たら40分は過ぎていた。
「だって彼氏、いなかったんだろ?」
「・・・・・え?」
「分かるよ、窓の数見たら。間取りぐらい。大学生だったらせいぜい1LDKだろ?
この辺のマンションで1LDKっていったらそこのマンションしかないだろ。」
そう言ってオッサンはヒロシのマンションを指差した。
「見てご覧よ。」
あ・・・・。
どの部屋も電気が消えてる。
「おおかた彼氏が来るのを電気を消して待ってるんだろうなと思って一応待ってた。」
「だけどもしかして泊まるかもしれないじゃないですか。」
「そうなったら、そうなったまで。1時間ぐらい待ってたら帰るさ。」
そう言って車から降りてきた。
「さ、送るから乗りなさい。体も冷える。」
そういって助手席のドアを開けた。
私が生まれて始めて行動の読めない男性に出会った。
というより私のほうが読まれていた。
オッサンのほうが一枚も二枚も上手だ。
観念して私は助手席に載った。
ほんの数分前まで座っていた助手席には私の香水の香りとともに煙草の匂いがした。
「煙草、吸っても構わないかい?」
そういってオッサンは窓を開けようとした。
「はい、どうぞ。」
「実はね、君を送っている時、煙草を我慢してたんだよ。」
そう言いながら銀色のライターを取り出した。
ライターの火が車内を少し明るくし、オッサンの顔を一瞬うっすらと照らした。
目の下に少しくまができている・・・。
「遅くまで付き合わせてごめんなさい・・・。」
素直に謝った。
「いいよ。」
と言った後に
「好きでしてるんだから」
と小声で言ったが私にははっきりと聞こえた。
「家は病院の近く?」
「はい。」
車はまた静かに動き出した。
ヒロシ・・・。
あんたはどこで何をしてるの??
「ねぇ・・・。ヒロシもう帰りなよ。彼女来るんでしょ?」
理恵はそういって煙草に火をつけた。
ふ~~~っと深い息を吐くとそのまま枕に頭をうずめた。
ベッドが大きく振動する。
理恵の柔らかい豊乳もぷるんと揺れた。
「迷惑か?」
「別に迷惑じゃないけど。彼女になんて言い訳するのよ。」
「別に・・・。」
ヒロシもそういって煙草を吸おうとした。
何かを探している。
「はい。」
理恵がヒロシに100円ライターを渡した。
ライターをベッドサイドのテーブルの上にポンと投げる。
そのテーブルの上には蘭子から貰った20万円が無造作に置かれていた。
「疲れた・・・。」
理恵は乱れた前髪を指で直した。
「ねぇ・・・彼女になんて言い訳するのよ・・・。」
もう一度ヒロシに聞く。
この女はうるさいなぁ。
あまり蘭子の事を思い出させるなよ。
ヒロシはたまらずその唇をふさいだ。
「う・・・うん。」
理恵の口からかすかに煙草の匂いがした。
舌を絡ませてくる。
この女は本当に好きモノだ。
つい今しがた何度も絶頂に達したくせに、まだこんなに感じやがる。
理恵はベッドサイドのテーブルの上にある灰皿に
まだ火をつけて間もない煙草を押し付け、ヒロシの肩に手を回した。
ヒロシの胸板に当たる理恵の乳首は
見る見るうちに硬くそそり立っていた。
「ねぇ・・・もう一回しよ・・・。」
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 大人の男の優しさ
蘭子の官能日記 大人の男の優しさ
現実とは残酷である。
たとえそれが奈落の底に叩き落されるような事実であっても
容赦なくそこに存在する。
数十メートル先にあるヒロシのアパートは電気が消えていた。
もう終電もない。
ヒロシはどこで何をしているのだろう・・・
どうやって帰ってくるんだろう・・・
私はどうすればいいんだろう・・・
チャリン
私のカバンの中からヒロシの部屋の合鍵の音がした。
どうしようか・・・
そこに後ろから車のヘッドライトが私を照らした。
ヒロシ?
車で出かけてたの?
ここからはヒロシの借りている駐車場は見えない。
徒歩10分ぐらいのところにある。
こんな近くでは到底高くて借りられない。
それが当たり前の東京だった。
私は振り返った。
ライトがまぶしくて見えない。
車が私の横をすり抜けたかと思ったら5メートルほど先で急停車した。
車はスカイラインではなかった。
「蘭子ちゃん」
降りてきたのはオッサンだった。
「よく考えたら分かりそうなものなのに・・・。彼氏の家に来たんだろ?」
「・・・はい。」
「ここで待っててあげるから見ておいで。」
「え??」
「もし彼がいなかったら、終電もないし帰れないだろう?引き返してきたんだ。」
この人って・・・
私が思っているよりも大人かもしれない・・・。
少なくともヒロシには出来ない行動だ。
「さぁ、ここで待っているから見ておいで。もしも5分経って戻ってこなかったら私もそのまま帰るから。」
でもこの人は私が合鍵を持っていることを知らない。
既にヒロシが帰っていないことを知らない。
どうすればいいだろう・・・。
一瞬考えた。
「とりあえず、見てきます。」
帰って寝ている可能性はゼロに近いが
それでも合鍵を持っているので、待っていたら帰ってくるかもしれない。
そうすればこのオッサンも諦めて帰るかもしれない。
「5分だけ待ってて戻ってこなかったら帰って下さい。有難うございます」
私はペコリと頭を下げて小走りにヒロシの部屋に向かった。
ドアのノブに手をかけるが案の定開いていない。
私は鍵を回し部屋に入った。
シーンとしている部屋の中。
時折道路を走る車のヘッドライトが部屋の中を照らす。
電気をつけようと思ったが
どこの部屋なのかオッサンにばれてしまうのはどうかと思ったので
真っ暗の部屋の中でしばらく時を過ごそうと思った。
窓を見るとオッサンが駐車ランプを照らしながら待っていた。
2分・・・
3分・・・
5分・・・
10分・・・
一向に帰る気配がない。
もう既に30分が経過しようとしていた。
電気を付けたい。
トイレにも行きたい。
だけど電気をつけたら部屋がばれてしまう。
ヒロシ・・・何してるんだろう・・・。
あのオッサンも何をしてるんだろう・・・。
私は走る車のヘッドライトの一瞬の明かりで腕時計を見た。
1時半・・・。
帰ろうか・・・。
もしも私があのオッサンのところに行くまでにオッサンが車を発進させたら私はここに残ろう。
賭けをした。
鍵を閉めて部屋を出る。
ドアを閉める瞬間にヒロシの匂いがした。
私は車に着いた。
「どうして待ってたんですか?」
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 オッサンの素性
蘭子の官能日記 オッサンの素性
車を停めたかと思ったらオッサンは
「泣きたい時は泣いていいんだよ・・・。」
と言って私の髪の毛を撫ぜた。
窓ガラスには反射して映ってるオッサンの顔が見えた。
向こうからも見えているに違いない、私の泣き顔が。
子供の頃父親に髪を撫でられた事を思い出した。
オッサンの手は少し厚くて大きくてお父さんのようだった。
ヒロシの細い指とは違う。
私の顔を覆い隠すことができるほどに大きな掌だった。
しばらくオッサンは私の髪を撫でたのち、
私の頬を伝う涙を、その大きな指で拭ってくれた。
そしてまた髪を撫でてくれたかと思うと
私の頭をポンポンと軽く叩いてまたアクセルを踏んだ。
それからオッサンは何を言うでもなく、何をするでもなく
車をただ目的地へ走らせていた。
私はただ、泣いていた。
「着いたよ。」
オッサンは車を静かに停めた。
「有難うございます。」
もう二度と会うこともないだろう。
どこの「先生」か知らないけど・・・。
私が車を降りようとした時、
「これ、何かあったらかけてきなさい。」
と言って2枚の名刺を渡した。
一枚目の名刺には
名前と電話番号だけが書いてある不思議な名刺だった。
普通は会社名とか役職名が載っているはずなのに。
香川博人
それが「ヒロくん」の本名だった。
さっき免許証を見せてくれたのだが、殆ど見ていなかった。
2枚目の名刺にはびっくりするようなオッサンの秘密が隠されてあった。
この時初めてオッサンの素性を知った。
何処かで見たことあるはずだ。
テレビの国会答弁・記者会見・新聞・雑誌あらゆるところでこの名前を見た。
「議員さんだったんだ・・・。」
「君には香川博人個人を知ってほしいから・・・この名刺だけでいいよね。」
そういってもう一枚の名刺は名刺入れに戻した。
用はないと思うけど・・・
内心そう思った私の心を見透かすように
「用がなくても電話をかけてきてくれたら、時間を作って会いに行くから。」
と念を押した。
「別に君は未成年で選挙権は無いから媚を売る必要もないだろ?」
と歯を見せて笑った。
社交辞令で貰っておいてもいいや。
せっかくココまで送ってくれたんだから。
「有難うございます。じゃあまた。」
そういって私は一礼すると
車を降りて踵を返した。
1、2歩歩き、もう一度振り返ると車のランプが2回点滅した。
私は頭を下げた。
オッサンに降ろしてもらった場所。
ココはヒロシのアパートの近くだ。
あの角を曲がればヒロシの部屋が見える。
私は急いだ。
幸せの黄色いハンカチの高倉健のような気分で
愛する妻の待つ家に、どうか黄色いハンカチがあるようにと願うように
どうか明かりがついていますように、と祈りながら。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 2人きりの車内
蘭子の官能日記 2人きりの車内
既に車は店の前に停まっていた。
紺色のベンツ。
車から降りてきた秘書に
「悪かったね、君はこれで帰りなさい。」
と林隆三似のオッサンは一万円札を渡した。
「さぁ、乗りなさい。」
といって助手席のドアを開けた。
乗ろうか乗るまいか躊躇している私の背中を
「さぁ」
と押して助手席に座らせた。
一瞬助手席の椅子にズブズブと沈むような気がした。
体中が包まれているような心地よさがあった。
車の中は男性用の香水のニオイがほのかにした。
誰の香水だろう・・・?
そう思っていたら運転席のドアが開き、
再び林隆三似のオッサンが乗り込んできた。
「楽にしてていいよ。この車は私用車だから。どこまで送ればいいのかな?」
そういって車を静かに滑らせた。
行く先を告げるとしばらく車の中に静寂が舞い込んできた。
私は外のネオンをぼんやりと見つめながら
どうしてこのオッサンの車に乗ってしまったのだろう・・・と考えていた。
すると、横でゴソゴソと何かを探しているような音が聞こえた。
すると
「はい、これ。」
と自分の免許証を見せてきた。
私はビックリして顔を見つめた。
「ん?だって身元がはっきり分かった方が君だって安心だろう?」
と笑って言った。
こんな小娘が不安がると思って、わざわざ伏せておきたい事実を隠すこともなく見せるオッサンの誠実さに、
驚いたと同時に新鮮な気持ちになった。
私がさっきから黙っていたのは、不安だったからじゃないのだが。
「音楽、聞く?」
と言ってスイッチを入れると
コテコテの演歌がフルボリュームで車内に充満した。
慌ててスイッチを消す。
私は思わず吹き出した。
「ごめんね、君が聞きそうな音楽は入っていないなぁ・・・」
と言ってラジオに切り返そうとした。
私は
「いいです。お気遣い有難うございます。」
とだけ言って、また窓の外をぼんやり眺めていた。
「さっきみたいに笑えるんだね、君は・・・。笑った方が可愛い。」
とバックミラーで後方を確認しながら、オッサンは言った。
「君の名前は?」
「蘭子。華帝蘭子。」
「華帝・・・はなみかど・・・。」
2,3度口の中で呟くと
「ああ、病院のお嬢さんだね。」
と一発で当てた。
「君のお父さんの病院には何度か知り合いのお見舞いに行ってるよ。私は一度も診てもらったことはないがね。
注射が嫌いでね・・・子供みたいだろ?」
と笑った。
笑うと口元が爽やかだ。
「蘭子ちゃん・・・。」
「はい?」
「私は君に謝らなくては・・・。」
ドキッとした。
こういうシチュエーションで、謝らなくてはいけない、と言われたら何かしら胡散臭い事が起こるに違いないと身構えた。
やっぱりコイツも送料が目当てなのか??
と思ったが
「君は彼女達とは違うんだね。」
彼女達とは
おそらく萌子達の事に違いない。
つまりVIPに捧げる愛人のブラックマーケットについて指していたのだと思う。
「私も今日は佐々岡さんに誘われてね。あんまり乗り気じゃなかったんだ・・・。むしろ早く帰れてホッとしているんだよ。」
佐々岡さんとはあの油ギッシュオヤジの事だ。
「君もそういう女の子だと勘違いしてたんだ、ごめんね。」
「いえ、いいです・・・。」
多分「君はもう決まっているの?」と第一声を言葉少なに謝ろうとしているようだ。
また沈黙が続いた。
せっかく送ってもらっているのに失礼な話かもしれないが
その時の私は車内を明るくするような気遣いができる精神状態ではなかった。
「蘭子ちゃん・・・。」
またもや沈黙を破ってきた。
「はい・・・。」
「君は普段から口数が少ないの?」
少し不躾な質問をしてしまったと、とっさに
「いや、疲れているならいいんだけどね・・・。」
と補った。
「私、普段はもう少し喋ります。ただ、ちょっと気になってることがあって・・・」
「さっきの電話の彼かい?」
男と電話をしていたとは一言も言っていないのに
今思えば誘導尋問だ。
男と話しているぐらい、取るに足らんことだと言わんばかりの余裕ぶりだった。
所詮オッサンの手のひらの上の出来事のようだ。
「今日、カードローンの支払いに行っている筈なんです。
支払ったらまっすぐ帰ってくるって言ってたんです。
だけど電話しても出ないんです。
私がお金を出したんです、20万円。
一生懸命働いて、だけど全て彼のために無くなってしまうんです。
それでも彼が好きだから我慢するけど
彼は全然気持ちを返してくれないんです。」
私は自分の心の中にある膿をオッサンにぶつけてしまった。
言いながら涙が出てきた。
外を見る振りをして涙を隠した。
初めて会うこのオッサンに自分の気持ちを打ち明けてしまった。
分かるはずもないだろうに・・・。
車が停止した。
赤信号じゃなかった。
路肩に停車したのだ。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 早く貴方に会いたい!!
蘭子の官能日記 早く貴方に会いたい!!
誰かが後ろから私の腰に手を回し、倒れそうになる私を支えた。
その腕の力強さで私はどうにか立っていられることができた。
「大丈夫かい・・・?」
振り返るとネクタイが目線に入った。
そのネクタイには菊の紋章のバッジが付けられていた。
ふと見上げると
林隆三がそこにいた。
「あ・・・。」
「席から見えたんだ、君が。」
「すいません・・・。」
林隆三似のオッサンは私から体を離した。
「大丈夫かい?」
もう一度聞いた。
それ以上詮索しない言葉数の少なさが、彼の配慮をうかがえた。
有り難かった。
「どうも・・・。大丈夫ですが・・・今日はもう帰りたいです。」
私は瑠衣子に申し訳ないと思ったが
幸い私1人いなくても席はサイコーに盛り上がっている。
テーブルの上には
先ほどの油ギッシュオヤジが頭にネクタイをハチマキのように巻いて
ブリーフ一枚で踊っていた・・・。
お店のボーイは冷ややかな目で彼らを見ていたが
どうやら超VIP待遇だったらしく何も言えない様子だ。
床には一万円札が、紙で出来た花吹雪のように散らばっていた。
瑠衣子にアイコンタクトをして近くに呼び寄せて、帰りたい意思を伝えた。
瑠衣子はそういうところに敏感な女だったので
「いいよ。」
と短く答え、急いでもう一人の女を調達すべく店の公衆電話に向かった。
「ちょっと待ってて。」
林隆三似のオッサンは私の肩に手を置くと
なにやら自分の秘書を呼び寄せ話をしている。
ここで待つ意味も無いし、彼に何か好意を受ける義理も無い。
私は彼の言葉を無視して店を出る準備をした。
自分のバイト代で買ったカシミアのコートが
油ギッシュオヤジのケツの下にあった。
ここを出たい・・・。
真剣にそう思った。
「すいません。」
私は小声で言うと、そのオヤジの下でくちゃくちゃになっているカシミアのコートを引きずり出した。
誰も私が帰ることを気がつくことも無く
相変わらずの歓声が店中に響いていた。
私はコートを羽織り、店のドアのノブに手をかけると
いきなり背後から手が伸び、ドアを開かせた。
手は私の頭をかすめて扉に手をつけて押していた。
誰?この背の高い人。
ボーイ?
にしては服が違う。
振り返るとそこにはまたもや林隆三似のオッサンが立っていた。
またこの人か・・・。
「ちょっと待っててって言ったでしょ?」
「待ってる義理ありませんから・・・。」
冷たく言い放った。
「女性なんだから、帰りは危ないでしょ。送っていくから。」
「いいです。電車で帰ります。まだ、終電だって間に合うし。」
「いいから乗りなさい。」
命令されたような口調で彼は私の手を引いた。
普通、飲み屋の帰りに男に送っていくと言われると
必ず送り賃として体の見返りを要求される。
いわゆる送料だ。
シチュエーションとしては、かなりデンジェラス!!
しかし、不思議と彼からはそういうがっついた欲望を感じられなかった。
親子ほども年が違うからかもしれないが・・・。
「秘書の人に送らせるの・・・?」
私はポツリとつぶやく。
「いや・・・。それは嫌だろうと思うから私が運転する。
安全な場所で、しかも迷惑じゃないところまで送るから。送るだけだから」
最後に2度繰り返して言った。
送るだけ・・・そう言って私を安心させたかったのだろう。
最初は真っ赤な顔して私に話しかけていた彼だったが、
一転して彼の強引さというか強さに
若かった私は、逆らう術を知らない子供のように大人しくなった。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 気持ちが伝わらない・・・
蘭子の官能日記 気持ちが伝わらない・・・
「君は・・・。」
とオッサンは何か言いかけたが、すぐに
「いや、いい。これも一つの出会いだから。」
と自分の言葉を締めくくった。
「おじさん、いくつなんですか?」
オッサンはまた顔を赤らめて
「48。君のお父さんと同じぐらいかな?」
48歳・・・。
父がその時50歳だったから、本当に自分の父親と同じぐらいの年齢だ。
よく見ると俳優の林隆三に似ている。
最初に何処かで見たことがあると思ったが、林隆三に似ていたからかもしれない。
「キャ~!タカさん、素敵~~!」
隣で黄色い歓声が聞こえた。
一緒に来ているモデルの萌子が
隣に座っているハゲ・デブ・メガネの油ギッシュオヤジが一気飲みをしたので盛り上げていた。
オヤジは若いオネェチャンから誉められたので
興奮して頭を振って腰を振っている。
頭を振るたびにバーコートが一本、また一本と額にハラリと落ちた。
醜い・・・。
なんで萌子があんなに楽しそうにしているのか全く分からない。
今度は萌子が負けじとドンペリを一気飲みする。
油ギッシュオヤジはそんな萌子の胸の谷間に
一万円札の束を二つに折り曲げて入れていた。
一瞬ギョッとした。
10万円はある・・・。
萌子が楽しむ訳が分かった。
「君は楽しくないの?」
林隆三似のヒロくんは私に聞いた。
楽しいわけあるか・・・。
こんな茶番。
それよりヒロシ、無事に支払い済ませたかしら・・・?
頭の中はヒロシでいっぱいだった。
昨夜のヒロシはすぐに果てた。
私の上に重なったかと思うと
また硬くて開ききっていない私の花弁に無理矢理押し入り、
猛然と腰を振りはじめ
「い・・・たい・・・。」
と声を出しても聞き入れもしなかった。
「いい、いい。気持ち良いか?」
と聞いてはくれるものの
激痛に歪ませる私の顔を見て
感じているのだと勘違いし
余計に激しく腰を振った。
腹の上に出したその白い液体には
蘭子の血液が
うっすらと混じっていた。
「お前、もうすぐ生理なのか?」
ヒロシは何も分かっていない。
私がアルバイトしてまで、どうしてヒロシにお金の援助をしているのかも。
私はヒロシに優しくしてもらいたかった。
有難う、といって済まなそうに愛しそうに見るその瞳がたまらなく好きだった。
同じ大学に行きたい、同じ時間を共有したい。
ただ、それだけだった。
しかし、私を見るヒロシの瞳が徐々に変わっていったことを
その時はまだ気がついていなかった。
私はたまらなくて席を外し
ヒロシの部屋に電話をした。
テレフォンカードが50の数字を出す。
電話のコールだけが虚しく耳の中で響く。
5コール・・・10コール・・・。
早く出て。
15コール・・・。
どうしていないの?
カチャン
あ・・・
数字が49になった。
「ヒロシ?」
私の声を掻き消すように
無機質なヒロシの声が耳に入った。
「ただいま外出しております・・・。御用の方は・・・。」
何故いないの?
今日お金の支払いを済ませたらまっすぐに帰るって言ったのに・・・。
カチャンと受話器を置くとピピー、ピピーとカードが出てきた。
私は泣きそうになった。
誰かが肩をたたく。
やっとの思いで体を支えていたので、私は前のめりにフラついた。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 初めての男
蘭子の官能日記 初めての男
グラスに目を落とすオッサンを見ながら、
ふとコイビトのヒロシを思い出した。
ヒロ君という名のオッサンか・・・。
そうだ、ヒロシのやつ今日支払いにいったのかなぁ・・・
「なぁ蘭子、お金貸してくれよ。
俺、今月カードローンにお金借りちまったんだけど
教科書代払っちまって返済が出来ないんだよ・・・。」
そういってヒロシは私の首筋に唇を這わせた。
「あ・・・、だめよ。もう帰らなきゃ・・・。」
ベッドから離れようとする私に
ヒロシは右手の指に挟んでいた煙草を灰皿に押し付け、
その右手で私の右の乳房をわしづかみにした。
帰さないぞと言わんばかりに。
「お願いだよ・・・。蘭子しか頼る人がいないんだよ・・・。」
そういって私のセーターの上から乳首を探し出し、親指と人差し指で上から硬く、つまんだ。
「あ・・・ん。やめてよ。もう電車がなくなっちゃう・・・ってば。」
「いいだろ?明日俺の部屋から学校行こうぜ。」
ヒロシの呼吸も荒くなってきた。
「さっき、したばかりじゃない・・・。」
既にヒロシの股間は熱くたぎっていた。
背後から感じるヒロシの荒々しい呼吸と
トランクスの上からでも分かる彼の熱い肉棒を
蘭子は自分のセーター越しから感じることができた。
「何に使ったのよ・・・。」
ヒロシはセーターの下に右手を滑り込ませた。
「車のサスペンションとマフラー・・・。」
ブラジャーのホックを探している。
「なんでそんなもの、買うのよ・・・。」
背中をまさぐるがブラジャーのホックが見つからないようだ。
「前よ。フロントホック・・・。」
「ああ・・・。」
ようやく鍵の穴を見つけて差込むがごとく、その後の仕草は早かった。
「ヨシヒサがさ。新しいマフラーにしたら馬力がめちゃめちゃ変わったって・・・。」
ヒロシが人差し指の腹で乳首を優しくこする。
自分の乳首が硬くなってゆくのが分かる。
「あ・・・」
たまらず声が出た。
ギュッと体も硬直してゆく。
私は前かがみになって振り払うこともできず
ヒロシのなすがままになっていた。
ヒロシは左でもセーターの下に入れ
両手で私の乳首を人差し指の腹で優しく擦った。
「お前、乳首感じやすいんだな。」
そういって耳たぶを舐め始めた。
ヒロシは高校生の時はもっと硬派だった。
学部こそ違うが同じ大学に通っている。
こんなことを口にするような男ではなかった。
ヒロシと初めて結ばれたのは付き合って3年目の冬だった。
つまりまだ最近だ。
私はまだまだ体が発展途上開発だったが
ヒロシはそんな私より、一足も二足も先進国に近づきつつあった。
男の方が、こういう成長は早いのだろうか・・・?
車だって中古のスカイラインを買った。
しかし、周りの友人はみんな外車か国産高級車を乗っていた。
車を改造することで
少しでも彼らに近づきたかったのかもしれない。
「車、早くしたかったんだよ・・・。あいつらにゼロヨンで負けたくなかったんだ・・・。」
そう言いながら両手にぎゅっと力が入る。
「あ・・・痛・・・。」
「ごめん・・・。」
「いくら・・・?」
「え・・・?」
「だからいくら必要なの・・・?」
「20万」
ヒロシは短く言うと蘭子の上に覆い被さった。
「君・・・。」
「え?あ、はい。」
「僕じゃ、ダメ??」
目の前のオッサンは、不安そうな顔で私を見る。
「ヒロくんは私じゃなくても、言い寄ってくる女性は沢山いそうじゃないですか?」
私はとっさに社交辞令気味のお断り姿勢をとった。
ここのクラブはテーブルが低く、おまけにガラス製なので、ヒロくんの全てが見える。
冷静に見てもヒロくんというオッサンは
昔はカッコ良かったのだろうけど
19歳の私から見たらやっぱりオッサンだった。
自分の父親と同じぐらいか、もう少し、上。
もちろん結婚もしているだろうし、子供もいるに違いない。
「実はね、ココに来た時から君の事、きれいだなぁ・・・って思って見ていたんだ。」
更に続けた。
「この2時間、ずっと君と話したくて話したくて・・・。
でもずっと恥ずかしくて会話できなかったんだ。」
私は笑いながら皮肉を言った。
「それで最初にかけた言葉が、君もう決まってるの?ですか・・・?」
「・・・。」
「意味分からないんですけど・・・。」
ヒロくんは「え?」という顔をした。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
蘭子の官能日記 愛人パーティでの出会い
蘭子の官能日記 愛人パーティでの出会い
「君、もう決まってるの?」
それはバブルがはじけて間もない頃
まだまだ経済不景気の波が押し寄せていない1990年代のはじめ
アルバイトでモデルをやっていた頃の私が
モデル仲間の友人花屋敷瑠衣子に
飲み会があるので来ないかと誘われて行ったあるクラブで
突然ある男性に言われた一言である。
決まっている?
何が?
私は一瞬言っている意味が分からなかった。
悪友瑠衣子は
モデルクラブの社長の紹介で
VIPとモデル仲間との飲み会をセッティングしていたが
実際は飲み会とはいうものの
言い方を変えれば
愛人バンク・パーティバージョンだ。
ただそれでは警察から売春斡旋容疑でお縄頂戴なので
こうやって自由恋愛の場を提供していた。
もちろん表向きは合コンだ。
但し、アフター付きの。
彼女がやけに羽振りが良かったのは・・・
このサイドビジネスのお陰だと
後から私は知った。
彼女と待ち合わせをして会場に向かった。
彼女はいつもは明るく会話をするのに
今日はあまり口を開こうとしない。
生理なのかな?
と思った矢先
パーティー会場のドアを開ける彼女が振り向いて私に言った。
「いい?オッサン達に何を言われても岡本さんの紹介なんで、と言うんだよ!」
「何それ?何かの呪文??」
と聞き返したが、彼女は
「うん、魔よけのね」
の言ったっきり詳しくは話さない。
ただ一言、
「あんたは人数足りなくて来てもらってるだけだから・・・。」
とバツが悪そうに一言だけこぼした。
そうして扉が開かれた。
合コンは初めてではない。
ヒロシと付き合っていても
内緒で何度か出席した。
人数が足りないという自己弁護を理由に。
場馴れだってしている。
瑠衣子は可笑しい事を言うなぁ・・・
「君はもう決まっているのかな?」
はっと我に返った。
「岡・・・」
呪文を口に出そうとしたら
「決まっていたらココにはいないよね?」
・・・?は?
私はすっかり困惑した。
瑠衣子は先ほどポケベルが鳴って席を外している。
その男性は見たことがある男性だった。
このパーティーのメンバーの1人だったが
フルネームは明かさない。
「ヒロくんと呼んで」
とだけ自己紹介をしたが
素性は全く不明。
ただ、何度か秘書らしき男性が席に来て
「先生・・・」
と言いながら耳元で何か話をしようとした。
自称ヒロくんというオッサンは
「無粋な事をするなよ」
とでも言いたげな目で若い秘書らしき人を睨むが
緊急の用だったらしく何か秘書に指示を与えていた。
一部始終を見ていた私は
このヒロくんというオッサンが
「先生」
という名のつくお仕事をしているらしいということは分かっていた。
そのおっさんは身なりはきちんとしている。
おおかたどこかの弁護士か大学の教授か・・・
いや、もしかして医者かもしれない・・・。
それならなおのこと、深いお付き合いは厳禁だ!
薄暗いお店の明かりの中、オッサンの顔が何処かで見たことのある顔だと思った。
-続く-
↓続きが気になる方はポチッとしてくださいね↓
Dear Princess (ディアプリンセス) タートルロングニット
Dear Princess (ディアプリンセス) タートルロングニット
こんにちは、かすみです。
今日、ちょっと可愛いニットを見つけたので御紹介します
Dear Princess (ディアプリンセス)
タートルロングニット
↓詳しくは画像をクリックしてくださいね↓
なんと!( ̄□ ̄;)
パールネックレス付きの嬉しい半袖ニット☆
ロング丈なので、裾をくしゅっとさせて着ても、チュニック風にパンツと合わせてもOK!
アンゴラ入りでふんわり柔らかい肌触りです♪
これから春先にかけて大活躍すること間違いなしです!!
↓他にも面白いブログがいっぱいあるわよ↓
Brownie bee ブラウニービー ボウタイ付ブラウスニット
Brownie bee ブラウニービー
ボウタイ付ブラウスニット
こんにちは、かすみです。
春先でちょっと寒い日、可愛いデニムとぴったりのカットソーを見つけました!
Brownie bee ブラウニービー
ボウタイ付ブラウスニット
↓詳細は画像をクリックして下さいね!↓
ボウタイ付ブラウスニット カットソーの素材にシフォンのチェック柄のシャツ部分が春らしい!
デニムでもスカートでもボウタイ付きでこなれたテイストに仕上がります
袖や裾もフリフリが見えていて、とっても可愛いですよん
色違いでも出ているので、要チェック!
↓他にも面白いブログがいっぱいあるわよ↓