犬ジステンバー | 犬の病気(感染症)

犬ジステンバー

犬ジステンバーは犬の感染症の中でも広く知られた病気です。犬ジステンバーに感染している犬の尿、糞、鼻汁などに混じって排出されたウィルスは、経口伝染で他犬に伝染するほか、空気感染もするので、伝染性はとても強力な感染症です。


主な症状としては以下のような症状をあげることができます。


・発熱
・咳
・鼻汁
・下痢や血便
・脱水症状
・結膜炎や角膜炎(目ヤニ)
・鼻の頭の乾燥


病気が進んで重篤な状態になると、けいれんを起こしたり、運動障害を生じたり、神経系統を侵されて死亡することもあります。


犬ジステンバーは死亡率が高い恐ろしい病気です。ひどくなると犬が暴走したり、ぐるぐる回ったりすることもあります。また、体のあちこちでピクピク短い間隔で痙攣するチック症状が出る、下半身に麻痺が出るなどもします。

犬ジステンバーに罹りやすいのは1歳未満の子犬ですが、成犬だからといって大丈夫な訳ではありません。犬ジステンバーに感染すると、大体4~6日後くらいに発症することが多く、初期症状が風邪に類似しているので、気が付くと重症化していることも少なくありません。通常は感染してから1ヶ月半後くらいにほとんどが死亡し、治癒しても麻痺や痙攣はそのまま残ることが大半です。しかし一方で、免疫力が高い犬は初期症状以上に悪化せず自然治癒治することもあります。


犬ジステンバーの罹患は症状や血液検査でも予測はできますが、罹患確定にはウィルス検査が行われます。そして、犬ジステンバーの診断が出ると、入院治療が行われます。治療方法は、抗生物質やビタミン剤の投与が一般的、神経症状が見られる場合は抗てんかん剤や脳代謝賦活剤などが使用されます。


犬ジステンバーにかかったら、安静にして保温を心がけること。なるべく、体力を消耗させないように配慮することが必要です。


犬ジステンバーの予防はワクチン接種が効果的。初乳や母乳を飲んでいない子犬だと、生後1ヶ月でワクチン接種が可能です。散歩から帰ったときや、動物病院から帰ったときは必ず消毒するのも効果的です。感染している犬の散歩はNG。病気の犬自体の体力温存の面で好ましくありませんし、なにより病気の蔓延を防ぐのは飼い主の義務といって良いでしょう。